「今回のるろ剣2作は可否が分かれたのでは。個人的には今作推し」るろうに剣心 最終章 The Beginning ぷっつぁんさんの映画レビュー(感想・評価)
今回のるろ剣2作は可否が分かれたのでは。個人的には今作推し
原作をリアタイで追いかけ劇場版も全て観た、根っからのるろ剣ファンの感想。
派手なアクションが見ものだった一方で、尺の足りなさと詰め込み過ぎ感が否めず、主要キャラの活躍やストーリーの核心部分が省かれ内容が薄いと感じたFinalal。
アクションから離れ、時代劇寄りの本格的な殺陣と原作に沿った雰囲気やストーリー性に重きを置いた印象の今作Biginning。
今作は、過去の劇場版のようにアクションや派手さ・爽快感を求める人には暗くて物足りなく写り、原作ありきやストーリー重視で観る人には深く刺さったのではないかと思う。
当方は後者で、今作Biginningの方がはるかに満足度が高かった。
数々のレビューにあるマイナス点については、
・殺陣:血飛沫が多く巷の時代劇より生々しく残酷で、正直子どもには見せられないしR指定が欲しい。一方で抜刀斎の強さや戦いの場での冷酷さがよく表現されていて、逆にこうでなければリアリティが出なかったと思う。
・農業生活のシーンが長い:覚悟して観たが、個人的には気にならなかった。原作と同じくらいの時間の流れと感じたので、原作を読んでいないと長く感じるのかも?
・子役縁の演技:だいぶ下手というよりは滑舌が悪くて聞き取りにくい。雰囲気はまぁまぁ合ってたので惜しかった。
・巴との死別のシーン:原作ではもう少し2人のやり取りがあり、剣心が亡くなる巴を抱きしめながら泣いている場面だが、今回は涙をはっきりと見せず、だいぶ抑えた形での演技。個人的にはもっと剣心の悲しみを表に出した形で観たかった部分で、主にここだけが惜しかった。
総じて、様々なシーンがとても美しく、観終わった後しばらく深い余韻が残った。
佐藤健の暗く抑えた演技も、Finalでは際立ち過ぎて違和感を感じたが、今回は全体の雰囲気やカラーとうまく同調していた。
またFinalでは真剣佑、今作では有村架純と、やはり雪代姉弟の存在感が強かったのが印象的。この2作では中心人物の2人が上手くイメージにハマり雰囲気も出ていたのは成功だと思う。
今作の有村架純は1つ1つの表情や所作が品があって美しく、同性でも何度も見入ってしまった。巴の役は難しかったと思うが、外見だけでなく全てにおいて、有村架純の巴で良かったと思えた。
桂小次郎、高杉晋作、沖田総司、安定の斎藤一、ちょっとイケメンすぎたけど辰巳など、個人的には脇を固めた俳優たちも皆良かった。
終盤は特に見せ方が美しかった。
剣心の十字数のアップで新旧の傷の濃さが違った所は、細かいけどその意味を感じたし、最後の鳥羽伏見の戦いで斎藤と対峙しながら剣を手放し剣心が去っていくシーンは、言葉少なでも様々か感情が伝わってきて見事だった。
佐藤健が演じる緋村剣心、るろうに剣心の実写化の集大成と感じた作品。
ファンとしても良いものを観せてもらい感謝。