「シリーズ最高傑作ではあるものの」るろうに剣心 最終章 The Beginning takfさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ最高傑作ではあるものの
ここに至るまでの過去作がことごとく30点ぐらいの出来であったため、ようやく60点ぐらいの普通の出来になりました、という感じ。
本サイトでのあまりの高評価に、せっかくだからと前4作を予習のために一気鑑賞したものの、最新作への興味を持続するのに苦労させられた。
このシリーズの映画としての出来はハッキリと良くない。
最も興醒めなところは、拭い切れない「コスプレ感」にある。
メインキャラの見た目もだが、原作通りのセリフ回しなどあまりにも「漫画」である。
これを本格時代劇のフォーマットに乗せて真剣にやるものだから、どうにもキャラが浮いてしまい終始居心地が悪い。
土屋太鳳のヘンテコな関西弁に象徴されるように、役者陣の演技にしても上手くチューニング出来ておらず、本気なのかギャグなのか分からず、いまいちどう見たらいいのか掴めない。
さすがの大友監督による「時代劇としての出来の良さ」が邪魔になっている。
ジャンプ原作として「銀魂」ぐらいのクオリティで肩の力を抜いてやった方が良かったのではないか。
そして上映時間がやたら長いのも難点である。
全5作にして10数時間を費やして得られる果実としてはあまりにも物足りないと言わざるを得ない。
一番「マシ」と言える本作が、本筋とは別の前日譚という事実は、何ともこのシリーズを象徴するかのようなチグハグぶりである。
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