「祝言と執念」るろうに剣心 最終章 The Beginning kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
祝言と執念
『The Final』で妻を斬ったことが明らかになっていたので、時代を遡った幕末の京都での出来事を順に追っていく形となった。巴との出会い、馴れ初め、そして・・・と、まるで純愛剣術記みたいな内容で、その背景には幕末動乱の厳しさ、分断の時代が描かれていた。今の世でさえ分断の時代と言われているのだから、人斬りが当たり前の幕末では拙者のようなひ弱な人間は生きていけないでござるよ。
ちょっとだけ期待していた池田屋の討ち入りがあっさりと説明されて終わり。まぁ、他の色んな作品で描かれてますし、勉強しとけってことですね。正直言って、幕末のことは全然知りません。桂小五郎とか高杉晋作とか、この映画でどちら側か確認した次第でございます。
今までと違い、一人称は“俺”で“ござる”は使わないかつての剣心。緋村抜刀斎。人斬り抜刀斎。アクションも少な目で抜刀術のみの殺陣シーン。その分背景画がじっくりと作りこまれているし、季節感もわかるように上手く描かれていた。雪景色と炎の組み合わせが美しすぎる。ストーリー的にも奇をてらったものじゃなく、おおよそ推測できるのもいいし、静かな展開のため心情豊かになったと思います。
「平和のために戦う」こと。たしかに考えさせられるいい言葉。ただ単に新しい世とはいえども、どちらかが支配者側に変わるだけのこと。巴が死んだ後も、彼女の意思を尊重するならば、戦い続けたってところは納得いかなかった。
はーい。
長年、教職現場にいたので、教師の質のピンキリは非常によくわかります〜。(だから業界に幻滅し、脱サラ&起業しちゃいましたw)
教師って仕事はわかるように楽しく教えてナンボですよねぇ。赤点ってのは生徒じゃなくて教える側に原因があると思います。
下手な教師に習うより、映画を観る方がよっぽど勉強になると思いますよーw
あと、明治維新はフランス革命やアメリカ独立戦争と同じように「革命」なので「支配者が変わるだけ」ではないですね。
幕府政治のままだと
・職業は選べない。父の仕事を継ぐ以外出来ない
・結婚相手は家長(父)が決める
・どれだけ理不尽でも、武士に逆らえば殺されるのが合法
・鎖国政策なので、世界の近代化からどんどん取り残され、いずれ欧米に植民地化される
明治は、少なくとも建前は
・人間は皆、平等
・職業選択や学問は自由に出来る
巴は武士の身分ですから、江戸幕府が存続しても困りませんが、剣心は虐げられた農民の出身なので
「四民平等」の価値観に違いがあります。
幕府を倒せなければ、これまで斬った人々の命が無駄になる。
自分が斬った尊い命の犠牲に報いる為にも、徳川独裁幕府を倒さねばならない、という考えなんですね。
長々と書いちゃってごめんなさい
〜。
お茶碗(笑)は、闇の武のアジトが最初に登場したシーンにありました〜。
でも、あの場面は最初、み〜んな似たようなモシャモシャ髪とボロ服で、誰が誰だか初見は判別しにくいと思います〜。
TVやVODに落ちた時にでもご覧下さいね。
幕末は、維新側は薩長土肥(さっちょうどひ)
(薩摩・鹿児島、長州・山口、土佐・高知、肥前・佐賀と長崎の一部)
幕府側は、会津(福島)を筆頭に盛岡、仙台の奥羽越列藩同盟。
それから新撰組。
新撰組活躍の舞台は京都だけれど、有名な近藤勇、土方歳三、沖田総司達は東京の端っこの田舎・多摩の出身(平成狸合戦ぽんぽこ、の辺り)
とだけ覚えておくと、楽しめますよ〜。
覚えるのは
「薩長土肥VS会津」だけでOKです。
福島を始め、東北に原発が多かったり、都市開発が遅れたりしているのは、維新負け組として明治〜昭和期に政府から冷遇された為と言われています。