「とにかく、哀しかった。。」るろうに剣心 最終章 The Beginning あすぴーさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく、哀しかった。。
The Finalに引き続きの鑑賞&原作の大大大ファンです。
あぁ…ついに終わってしまった、と言うのが観賞後の最初の感想。
とにかく余韻が凄まじかったです。
今回のBeginningは役者さん達が前もって何回も言っていた様に、今までの映画るろうに剣心とは違って「アクション要素」よりも「ドラマ要素」の方が色濃く描かれていると言った感じです。
限りなく時代劇の様な作風に仕上がっており、過去4作の時に感じていたコスプレ感もなければ、原作にあった多少のコメディー要素も排除されていました。
どちらかと言うと、かつてOVAで発売されていた追憶編の様な印象で、全体的に静かで陰鬱としている様に感じました。
そしてこれこそが追憶編であり、良く作品の雰囲気が出ていたと感じました。
さて、本作のヒロイン・雪代巴を演じた有村架純さんについてですが、キャストが正式に発表される前からネット上では彼女が巴役という事が出回っていて、反対意見が多かった様に思えました。
私自身も、有村架純さんはどちらかと言うと「可愛らしい」女優さんとの認識だったので、どんな巴になるんだろう?と想像がつかなかったです。
しかし、蓋を開けてみれば全く違和感もなく、巴の持っている特有の儚さや気品がちゃんと出ていたと思います。
よく原作ファンの間で薫派と巴派に分かれて論争が繰り広げられているのを目にしていて、私はそんな論争には興味なかったのですが、今回このBeginningを見て「あ。巴さんには死んでほしくない」って強く思いました。
これは原作で追憶編を読んだ時には沸かなかった感情で、それほどまでにこの映画Beginningに、雪代巴と緋村抜刀斎に感情移入したんだなと感じました。
そう感じさせてくれた監督や役者の皆さんには惜しみ無い拍手を贈りたいと思います。
文句なく、シリーズの中でも1番の傑作でした。
私は原作の大大大ファンです。
るろうに剣心の映画はもちろんシリーズ通して観てますし、その度に最大限の賛辞を贈っています。
しかし、同じく原作の大大大ファンの方がこのBeginningやそれまでの4作に対して手放しに褒め称えているかと言うと、そうではない事も確かです。
尺の都合上、どうしてもカットしたり改変せざるを得ない部分が存在しますし、「原作とは違う展開でガッカリした…」といった声があるのも頷けます。
その上で、私がどのシリーズに対しても惜しみ無い賛辞を贈っているのは、ひとえに「20年前に物語として終了した大好きな漫画に再びスポットライトを照らしてくれた」という事に他なりません。
この映画がなければとっくの昔に忘れ去られていた過去の漫画だったかもしれません。
この映画がなければ、自分の息子がるろうに剣心という物語に興味を持たなかった。
この映画がなければ、息子と一緒にアニメ版るろうに剣心を見返したりする事もなければ、幻の北海道編すらも描かれる事はなかったと思います。
全ては監督が、役者のみなさんが、スタッフの方々がリスペクトを持って作り上げて下さったから、今もるろうに剣心という大好きな漫画が日の目を浴びてるんだなという感謝の想いでいっぱいです。
…という事を旦那に熱弁したら、めちゃくちゃ引かれましたが(笑)
なので、本当に内容を観たのか?と思うくらいの内容の薄い低評価レビューを目にすると、本気で悲しくなります。映画も観ていないただのアンチとしか思えません。
こういう風に人の想いや頑張りを踏みにじる様な事はしないでいただきたいと強く願います。
とにもかくにも、映画るろうに剣心はここで一区切りですね。皆さんお疲れ様でした。
素敵な映画に出会えた事、とても感謝しております。