「この作品なしでシリーズ終われない、という主演・監督の言葉がよく分かる」るろうに剣心 最終章 The Beginning ぴよぴよこさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品なしでシリーズ終われない、という主演・監督の言葉がよく分かる
映画として、とにかく良質で素晴らしい。
まず、ストーリー。話としては、ほんとに儚く美しく、悲しすぎる。けど、この作品がbeginningというのが、最大のポイント。
原作未読なので、この作品なしでシリーズ終われないという、主演や監督の言葉を、観る前は「ふーん、そうなのか」と思っていたけど、見終わってみると、納得感しかない。
ラストの締め方が秀逸。映画館でリアルに鳥肌がたった。必ずシリーズ一作目からもう一度観たくなる。実際、beginningの鑑賞後、一作目を観たら、ほんとに更に深い話になっていて、10年前に撮った作品と今回のbeginningが、こんなにも違和感なく、最高の形でつながっているのは、奇跡だと思う。
と、シリーズ全体に与える影響はとてつもなく大きいのだけど、
この作品単体でもしっかり成立していて、1本の映画としてもすごくよい。シリーズ最後だけど、beginningなので、前4作見ずに初めて観てももちろん楽しめる。
佐藤健の剣心と有村架純の巴が、あまりにも美しく悲しい。それがこの作品を通じる大きな柱になっていて、アクションとは全然違う種類の見応えがかなりある。二人とも見た目の美しさだけでなく、表現力がものすごく高い。すごい俳優だと思った。
映像や音楽も◎
クライマックスの雪のシーンなど、映画ならではのスケールで美しい映像が観られる。
とにかく、すごく丁寧に全力で作り込まれていて、本気度が伝わる。これ以上望むべくもない。
これを観ないのはもったいない。