劇場公開日 2021年6月4日

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「アクション少なめのストーリー重視」るろうに剣心 最終章 The Beginning サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アクション少なめのストーリー重視

2021年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

実写版るろ剣といえばアクロバティック剣戟アクションとキャラクターの再現性の高さが持ち味の作品。しかし本作ではアクロバティック剣戟アクションはほどほどにして(それでもすごかったけど)、原作ストーリーを丁寧になぞることを重視していたように思う。
つまり、剣心と巴に焦点を当てた作り。剣心が巴と出会い、次第に絆されていく様子を丁寧に描き、これまでの実写版るろ剣とは違ったしっとりとした雰囲気が醸し出されていた。これは、志々雄誠編やThe Finalのようなフィクションではなく史実に基づいた幕末の動乱がベースになっていることと無関係ではないだろう。
アクロバティック剣戟アクションも少なく、フィクションじみた派手な敵キャラもおらず、ただひたすらに剣心と巴の人間ドラマだけがあった。

最初に実写版るろ剣が公開されたとき、その再現性の高さとアクションの凄まじさに映画好きは大いに沸いた。漫画の実写化でもこんなに面白くなるのだと感激したものだ。しかし一方で、熱心な原作ファンからは不興を買ってもいた。るろ剣のドラマ性が削がれていたからだ。
曰く、剣心の人となりを描き切れていない、左之助がただのチンピラにしか見えない、そして蒼紫の代わりにオリジナルキャラが出て来た(厳密にはオリジナルではないが)、など。その批判は京都大火編でも伝説の最期編でも、The Finalでも通るものだった。しかし本作は蔑ろにしていたドラマ性に注力し、その批判に耐えうる、それどころか大満足の出来となったのではないだろうか。

ひとつ不満があるのは巴役の有村架純か。顔面が強すぎる。原作の巴のような幸薄い美人ではなく、バチバチにかわいい美人がそこにいた。そこは再現とは言えなかったかなあ…

サブレ