「全てはここから始まった」るろうに剣心 最終章 The Beginning Leoさんの映画レビュー(感想・評価)
全てはここから始まった
一作目からずっと追いかけてきた大好きな「るろうに剣心」シリーズがとうとう最後を迎えるということで、IMAXで観に行ってきました!
ずっと謎となっていた「不殺の誓い」「巴を切った理由」「十字傷」この全てのピースが明かされました。
今回の剣心は「緋村剣心」ではなく、「緋村抜刀斎」。
特徴的な口調(ござる、おろ等々)は一切なく、血だらけになりながら瞳は光を失っていました。
幕末のヒリヒリした空気感が冒頭の血生臭いシーンで発揮されて普段のシリーズとは一線異なるものになるのだなと予感され、ゾクゾクしました。
そう感じた通り、まるで別の時代劇を見ているような感覚になりました。
高橋一生さんや安藤政信さん、村上虹郎くんの新しい登場人物たちの演技がきらりと光ってどのシーンも食い入るように見つめてしまいます。
何より、今までのシリーズ通して「不殺の誓い」をたて、戦いの最中血を浴びることのなかった剣心が血だらけになってためらうことなく刃を振るう姿が
恐ろしくも美しくて魅入ってしまいました…。
刀のぶつかり合う金属音もやけに耳に残って苦しかった。
そして、満を辞して登場した雪代巴!
有村架純さんの儚くも芯の強い巴は最後まで本当に美しくて圧巻でした。
もちろん佐藤健くんの演技にもとにかく泣かされました。
愛する人に、守りたいと思った人にはめられたかもしれないと戸惑い、涙しながら戦う剣心を演じる健くんに涙腺崩壊。
そして、巴を切ってしまった理由があまりにも切なすぎて苦しすぎて雪の中で十字傷が生まれ、巴を抱きしめるシーンは映画界屈指の美しさでした。
ポスターのメインビジュアルになっているあのシーンは絶対に本編で観てほしい。
二人に剣心と巴さんを演じてもらえて本当に良かったなぁ。
「行ってくるよ、巴」
そう言い残して、亡骸と共に幸せな思い出がいっぱい詰まったあの家を後にした剣心はどんな気持ちだったんでしょう。
派手なアクションシーンはなくともIMAXで観た方が、より映像の美しさを感じられるのではないでしょうか。
一作目の冒頭のシーンが、beginningを見た後ではきっと全然違うものに見える。
「新時代」を渇望し、剣心の気持ちが。
もちろんfinalも!
beginningの後に一作目に戻って一周したくなること間違いなし!!
コロナ禍で大変な中、この作品を最後まで演じ切って作り切ってくれて本当に感謝です!!