「夏休みの優良課題図書(フランス篇)的な。」ファヒム パリが見た奇跡 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
夏休みの優良課題図書(フランス篇)的な。
刺さりましたもん。色々と、結構。ルナに起こされて、ファヒムが生まれて初めて見るラ・メールの風景に何故か泣けましたもん。ここんとこ、少年主役のフランス映画に、立て続けにグサグサ&ボコボコにされてる気がするんだけど。途中から、やたらと良かった!
バングラデシュからインドに渡りパリまで飛んだ親子。窓の下に海が見えると興奮するファヒム。パリの公園の池を目の前に「海だ」と興奮するファヒム。しつこく伏線張ります。マルセイユの海岸線を走るバスの車窓から見える海はファヒムにとって三度目の正直。彼の人生に新しい何かが起きる事を予感させます。
フランスらしく、あっさりとした演出と描写の連続。真綿で締め付ける様に、クスっとさせたり、泣かせたり、ほっこりさせたりするところが良い。全国大会最終ラウンド前夜。鬼のシャルパンティエが、珍しく良い話して弟子達を鼓舞しようと照れながら演説打ったのにw
グリーン・カードでは国外退去を命じられる役だったジェラール・ドパルデューの割腹の良さにビックリしましたが、流石の好演でした。
難民認定のハードルや政治性はさて置き。自力で運命を切り拓く少年の物語りは、暑苦しさも嫌らしさも感じさせないフランスらしいニュートラルな演出の107分。飽きる事なく一気に最後まで飛ばして行きます。フランスらしいと言えば、子役達の演技力には相も変わらず脱帽ですw
シャルパンティエの最後の「有難う」が地味に深いし。勝ちだけを求めない事で得られたものへの感謝。マルセイユ(勇ましいフランス国家ラ・マルセイエーズはマルセイユ部隊の隊歌が元)で、このオチにはフフフってなりました。
良かった。とっても。
パスポートの答、ありがとうございます!
そうそう、勝ちにこだわっちゃダメというところも良かったですよね。ポイントで優劣を競うなんて、まるでサッカーでした。と言いつつ、実は麻雀大会なんかを思い出してしまいましたが・・・
Bloodさん、コメントありがとうございます!
そうですか~やっぱり難民の問題が・・・あの親子はパスポートだけは持っていたんですよね?ビザはなかったみたいけど。
『グリーン・カード』ネタにも言及するなんて、さすがbloodさん。