劇場公開日 2020年8月28日

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「勇気ある行動に拍手!」オフィシャル・シークレット 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0勇気ある行動に拍手!

2020年9月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

キャサリンは憤りから後先を考えずに、リークしたのだと思うが、機密情報を漏らすということは、職務違反になることはわかっていたと思うので、すごいことをしたのだと思う。イラク戦争は、結果として大量破壊兵器は見つかっておらず、息子ブッシュ大統領の勇足ということは明白なので、戦争を回避することはできなかったが、この告発は間違いではなかった。正統的な描き方で、時制を崩したりせず、真正面から描いていて、わかりやすく好感が持てた。新聞社の描き方も、最初から飛びついたりせずに、ウラを取ろうとするところが、やっぱそうだよねと思ったし、弁護士側もどうやったら、罪を軽くできるのか作戦会議を開くところなどおもしろく観た。興味深いと思ったのは、米語と英語の違いが指摘される点。日本人からしたら、同じようなものだと思っていたら、微妙に違うのだとは… それにしても、政府は汚い。強制送還しようとしたり、みせしめのために起訴を遅らせたり、やりたい放題だ。でも、こういう映画が作られることはすばらしいことだ。日本では、昨年『新聞記者』が話題になったが、桜を見る会や森友・加計問題が今後映画になることがあるだろうか? 残念ながら、それはないと思う。そんな気概を持つ監督、製作者、配給会社はない。企画がもしも立ち上がったとしても自主規制してしまうに違いない。そんな国に住んでいることは悲しい。

瑞