「「マリリン・マンソンも所詮エンタメ」by大槻ケンヂ」ロード・オブ・カオス どすこいたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
「マリリン・マンソンも所詮エンタメ」by大槻ケンヂ
MAYHEMもBURZUMも初期の楽曲は結構好きで聴いていましたし、ブラックメタル界隈では教会を燃やしたとか死んだ殺した殺されたなんて話があったのも知っていました。本作はその「事実」を再現しつつ、当事者達の内面に迫ろうという作品。狂った青春物語でもあり、問題提起でもあります。
いわゆる「マウント合戦」の成れの果てでもありますが、徐々に本物の狂気へと悪化していく様は現代社会に通ずるものがあり、他人事と思えません。ネット上でも「にわか」「もぐり」などの言葉で煽ったり、いかにバズるかを競い合ったり。
社会的な地位が不安定な若者は、時に自身の存在をアピールするために過激な行動に出たりします。是非この作品を観て冷静になって欲しいです。まぁ、流石にここまでやる人はいない…あ、いたからこの作品があるんだよな(怖)自分がおかしな方向へ向かってないか、有名になったりバズったりすることがそんなに大事なことなのか、別の方法があるんじゃないか…血にまみれたこの映画を観て考えてみましょう。
なんか真面目な話をしましたけど、本作の他の見どころもざっくり。
・登場人物がテレビで「死霊のはらわた」「ブレインデッド」を観ている!
・MAYHEMの代表曲、Funeral Fog、Freezing Moon等が聴ける!(一部のみ)
・かのマコーレー・カルキンの実弟ロリー・カルキンが主演!
・ナイフで人を刺すシーンや、自身の身体を切り刻むシーンが結構多いので要注意!
レコードを売りたいだけの「ポーザー」か、思想を実行に移す「本物」か。その間で揺れる若者達の純粋で狂気に満ちた悲しい物語です。