「素顔」ロード・オブ・カオス MARさんの映画レビュー(感想・評価)
素顔
ノルウェーのブラックメタルバンド、メイヘムに関する、事実とフィクションを交えたサスペンススリラー。名前を聞いたことはあるが、曲やバンドの背景は粗知らずに鑑賞。
いやぁ衝撃的!!何が驚きって、この恐ろしい物語、鑑賞後メイヘムについて検索したら大体実話なんですね。。
そういう意味で、予備知識なしで観て正解だったかも。
作品としては、文字通りブラックな闇展開が終始続き、スプラッター的な描写も沢山。そんなに得意じゃないんですよね…w
ただ、何と言いますか、本作を観て特に感じたのは、ハッタリ合戦もエスカレートしていくと恐いな…と。
悪魔崇拝に憧れた(?)ユーロニモスにしても、最初は皆にバカにされていたヴァーグにしても、いったいどこまで本気だったのか。場面ごとに逆転を繰り返す二人の立場に深みがあり面白かった。
また、垣間見えるユーロニモスの素顔が印象的。序盤はとにかくヤバそうにしか見えなかったけど、実はまだこの中では分別があったほうなのかな。それでも、僕からしたらチキンボーンでも充分ヤバいですよ…。
あとは、トラウマとして脳裏に焼き付いた彼が一瞬見せた笑顔。本作の中で唯一、光を感じれるシーン。親友がこちら側にこなくて良かった、とでも言ったメッセージに感じられたが…結局は。。う~ん。。
その他にも、場違い的に笑わせにくる某ブルースウィリス映画や、ヴァーグを手玉にとる記者さんが印象的だった。ヴァーグ、チョロすぎ!?
因みに、私も趣味でギターをやっており、周りには所謂メタラーといった方も結構いましたね。メタル好きのギタリストさんはとにかく拘りが強いイメージ。対してワタクシはジャンルに拘りは無いのですが、その分どんな曲をやっても中途半端に…。ちょっとは見習った方が良いのかな。。
話が逸れましたが、改めて狂信的な思想は危険だなということ、それと同時に、果たして本当にどこまで本気で崇拝していたのかよくわからないことも、寧ろより恐ろしいなと思わされた怪作だった。
終わり方も良いですね。
あれはメタルと言うよりも、寧ろロックな感じもした(笑)