「生きちゃった見て泣いちゃった」生きちゃった mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
生きちゃった見て泣いちゃった
内容はかなり重いです。
ですが、最後のシーンで思わず涙が出てしまいました。(T_T)
切ないというか、あの男2人の抱き合った瞬間に思わず感情が入ってしまったというか。主人公の感情の吐露にシンクロしちゃったというか。自分でも何なのかよくわかりません。
太賀くんびいきなのもあり、厚久のあの感情を抑えた表現、うまいなあと思いました。武田役の若葉の存在は普通なら、ちょっと邪魔になりがちなのに、3人の人間模様の中に上手く溶け込んでいました。学生時代のパピコを食べるシーンとかも登場するんだけどベタな青春映画になっていないところもよかったです。
大島優子もアイドルからの脱皮を意識したように感じるぐらい熱演だったと思います。目に見たもの聞いたことしか受け入れられない、甘い言葉に酔ってしまう愚かな女性でしたね。男(毎熊克哉)と一緒になった後にも、厚久にお金をせびるところは腹立ちました。
愛を言葉で表現する
難しいですね。女の人は言葉で満足したいところがあるので、つい期待してしまうのでしょうが日常会話で自然に「愛してる」なんて、普通言えない(言わない)ですよね。映画にもあったように、確かに英語で言えば I love you. Me too.なんて会話がすぐに成り立ってしまうかも。
主人公の厚久は言葉だけでなく、表情にすら、悲しみや怒りや欲望が出なくて、何もなかったような顔をしてしまう。たまたま会社を早退して家に戻った時に見た「妻と男の情事」。
驚きも悲しみも怒りも何もかも飲み込んでしまう。見ていて苦しかったです。
厚久の婚約者(早智子)が厚久の家に来て、2人が話合っているところに、身重の奈津実が登場するシーンが2回(3回?)ありました。最初のシーンでは、2人の会話の内容がわからず。ただ、厚久が涙ぐんでいる。早智子を好きだけど、やや仕方なく奈津実と一緒になったのか?とも思えてしまう。
しかし、後のシーンでは、早智子に「ごめん。奈津実のことが大切なんだ」と多少、残酷なことを早智子に言ってしまう。つまり、ここで、厚久が奈津実のことを本当に大事に想っている(愛している)ことがわかります。切ないわ。
いろいろと考えさせられた映画でした。