「力のある作品。」生きちゃった エクさんの映画レビュー(感想・評価)
力のある作品。
石井裕也という人は、相変わらず軽々と重量級を作る。
見終わった若い観客たちが火照りを秋の風で冷ますかのように、映画館前に何人も立ち尽くしている。
こんな光景は自分ははじめて見る気がする。
愛を言葉で伝えられなくなった男を中心にすこしづつ欠点のある人間たちが、絶望の淵から落ちていく。
自分だったら気がふれてしまうだろうな、と思ったりした。
まさしく、おそろしかった。
それでも映画館を出てから、愛を言葉に乗せて誰かに自分の身も心も未来も委ねてみないとな、と思った。
青臭い言葉でしか表現できないが、まさしく「愛に向かう勇気」をこの映画は与えてくれた気がした。
…ただし、自分は四十路も後半戦。
かなり厳しい戦いが待っているのは間違いない(笑)
石井裕也、非モテおっさんの心にまで火をつけやがった。
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