「子供マジックかからず」映画 えんとつ町のプペル HIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
子供マジックかからず
動く絵本としては良かった。
100分の映画としては物足りなかった。
物足りないのは尺でなくパンチが二つ三つ足りなかった印象。むしろ7、80分くらいで十分だと思う。
子供の頃に観ればもっと入り込めたかもしれないが、汚くズルい大人視点ではえんとつ町に不満がなく個人的に星を見る意義が見つけられないし、ルビッチに共感できなかったのが残念だった。
作品が悪いのではなく共感力と感動力の欠如かな。
悪者らしい人は出てくるけど、子供から見た悪い大人の権化のような不思議の国のアリス世界っぽい。むしろもっと悪意溢れる世界から守ってくれているいい国のようにも思えてならない。
ああ、自分は体制側のつまらない人間になっちまったんだなあ、としみじみ実感した。
絵も綺麗だし、声優陣もいい演技していて良かった。タレントや俳優でも全然はまってた。本職がアテレコしてたらもっとアニメっぽかっただろうし、俳優陣なんで3Dっぽい絵本アニメには合ってたかもしれない。芦田まなちゃん、スゲーよ。
個人的に、福君にプペルをやって欲しかったw
あとメタファーかなんかは分からないが、トロッコ疾走シーンがトロッコ問題のように思えて、ルビッチの選択と自分は逆なんだろうな、と思った。
外国のアニメ映画と思えばもっと素直にみれたかもしれないけど、ナイトメアビフォーのようにもっとダークでエッジ効いてる方が好みかな。
テーマは普遍的なので外国でもうけると思う。
日本ではアート過ぎてアニメジャンルに入らなそうなので支持層が限定されそう。
レビューと関係ないけど自分しか居なくてまさかの一人占め上映だったので寂しかった(笑)