「オードブルだらけのフルコース」映画 えんとつ町のプペル イーリスさんの映画レビュー(感想・評価)
オードブルだらけのフルコース
ちょうど時間があったので見てみました。
一言で言えばタイトルの通りです。
元々絵本が原作という事で、どうやって尺を稼ぐのかなと疑問に思っていました。
実際に見てみると、まぁ退屈。
最初に出てきた前菜を平らげたと思ったら、また前菜。
それが終わってもまた前菜。
うん、飽きる。
実際中盤はほとんど寝てしまいました。
映画館で寝るのって贅沢な感じがしますよね。
音がうるさいけど、意外と質のいい睡眠が取れた気がします。
閑話休題。
さて、この映画には前述した通り致命的な欠点があります。
作品の構成が全く映画的ではないです。
多分30分に再編集した方が面白いです。
「映画」を選んだ事自体がそもそも間違いだと思いました、
じゃあ肝心な内容はどうなの? ってお話ですが……。
ごめんなさい、泣けません。
涙は出ましたが、それはあくびによるものです、
実際泣かせようとしてるなぁ、とぼんやり思う場面はありました。
それだけです。
じゃあ何故泣けないか。
感情移入ができないからです。
主人公はともかく周囲の人間があまりにも薄っぺらすぎます。
主人公の考えは作者=西野さんの思想に基づいてるんだろうな、と感じたので少なくとも人間的ではありました。
他は主人公の感情を変化させるための道具でした。
役割のために動いている人形にしか見えませんでした。
そして最後に、この作品は「信じる事」をテーマにしています。
(見た感じでは「盲目的に」と枕言葉がついて然るべきでしょうが……)
「信じる」これはとても強い感情です。
信じない→信じる と感情が変化するのは、強烈な体験がないと無理です。
だけど皆あっっっっさりと考えを改めてしまいます。
なんなんだこれ。
というわけでこの作品は「映画」としては非常につまらなかったです。
絵本として面白いかは知りません。
映像美、演技、BGMなどは申し分ない出来でした。