「鮮烈なビジュアル、迫力のオーケストラ、キャストの熱演、なのに…」映画 えんとつ町のプペル kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
鮮烈なビジュアル、迫力のオーケストラ、キャストの熱演、なのに…
原作・脚本・製作総指揮キングコング西野亮廣の渾身・執念の映画だ。
革新的なビジュアルを作り続けるSTUDIO4℃による見事な映像。フルオーケストラの音楽も素晴らしく、一見の価値はあると思う。
が、西野氏の思い入れが強すぎたのか、押し売り的な内容になってしまったのが残念。
「分からないことに蓋をしたままじゃ、先に進めない」…解るような、解らないような…。
ルビッチや父母が入れ替わり立ち替わり言葉で熱く主張し、場面場面のアピールはその場の勢いで感動的ではあるが、物語全体としては筋が通ったものになっていない気がする。
クライマックスでダラダラと続く父親の語りには、むしろ興醒めするだろう。
そもそも、期限つき貨幣で平穏を維持できていた町は、「鎖国」を解かれてしまうとどうなるんだろうか?
煙に覆われた町で住民が悪政に苦しんでいる様子が見えないので、ルビッチの行動の効果が分からない。
冒頭のごみ処理場の活劇、クライマックスの煙爆破作戦のスペクタクルは素晴らしく、圧倒される。
キャストにおいては、やはり主演の芦田愛菜が上手い。
ゴミ人間の窪田正孝は朝ドラの延長のような訛りがあった気がした。
物語を無視して映像と音を堪能したいと思っても、『海獣の子供』のように理解することを放棄させてくれればそれも可能なのだが、あそこまで台詞で訴えられると、そうもいかない。
脚本はプロに任せた方が良かったのでは?
kazzさん、コメントありがとうございます。
まさしく立体感のない背景画!
手抜きじゃなくて、その閉塞感のある雰囲気を出そうとしたんでしょうけど、やっぱり3DCGを見慣れていると物足りませんよね。
そうそう、音響効果もけっこう良かったです♪