「信念の意味」映画 えんとつ町のプペル 八島さんの映画レビュー(感想・評価)
信念の意味
絵本では気が付かなかったことに映画だと気が付いてしまう。
人は夢を追い求めてよいと思うが、それは他人に迷惑をかけない範囲で許される。
ルビッチの先祖も煙突街で暮らしていたはずだ。
子孫が幸せに生きれるように煙突を作り、その代償として星は見れなくなった。
星を知らない方がいいと考えた、あるいは時間が星の存在を忘れさせたのだろう。
先人の思いも、これから生まれる人の幸せも全てを捨ててでも星を観たい。
その後、町が滅ぼうとも構わない。
自分を全く疑わない行動は狂気に近い感情を抱かせる。
本当に信念を貫くことだけが良い事なのか。
人の意見を聞くのは信念を曲げる事ではない。
それは自分の望む結末にはならないが、人は1人では生きてゆけないのです。
街が幸せであるには、個人の幸せは我慢しなければならない。
欲しいから奪う、観たいから観る。
それが幸せと思っても構わないが、実行してはならないのだ。
妥協をすることを悪、意思を貫くことを善とはとても思えない。
皆と話し合い星を観ようとなっていたら、どれだけ素晴らしかったか。
ルビッチの信念を貫ければハッピーエンド。
それで良いとは私には思えない。
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