「 音楽、声優さんの演技、映像の美しさが素晴らしいです。特に芦田愛菜...」映画 えんとつ町のプペル Pug-Peiさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽、声優さんの演技、映像の美しさが素晴らしいです。特に芦田愛菜...
音楽、声優さんの演技、映像の美しさが素晴らしいです。特に芦田愛菜さん、窪田正孝さんは、キャラクターとばっちりあっていて、とても自然に聞くことができました。
物足りなく思った点をあげると、ブルーノの物語をもっと描いてもよかったのではないか、と思いました。
映画の中でブルーノがたびたび行動することや勇気をもって挑戦することの大切さを語ります。そのメッセージは素晴らしいですし、否定する気持ちは全くありません。
ただ、映画の中でブルーノが海に出て、星を見つける、というシーンは詳細には描かれていません。このシーンを描くことはとても重要なのではと思います。
えんとつ町の世界において、外の世界を見るために海に出るという行為は、とんでもなく常識はずれで、命がけ(暗殺される危険がある)の行為です。ブルーノにも当然葛藤があったはずですが、それでも勇気を出して嵐の海に出たのだと思います。
海に出た後も、星を実際に見るまでは「本当に星なんてあるのか、自分は間違っているんじゃないか?」という不安や迷いも当然あったはずです。それでも自分を信じて、進み続け、やっとのことで星を見ることができた。その時の感動と喜びは、ものすごいものだったはずです。
にもかかわらず、町の人たちはそれを信じず、行動しようとせず、バカにして嘘つきよばわりするばかりだった。。。
この経緯があるからこそ、ブルーノの劇中の言葉や、終盤の語りには重みが出ますし、最後にルビッチの成し遂げたことの意味も深まります。ですが、劇中では「過去にブルーノは海に出て、実際に星を見た」ということが断片的に語られるだけで、その様子を詳細に描いたシーンがなく、ブルーノの行動と勇気を目撃することができません。そのためあくまで、ブルーノの経験を想像するしかありません。
なので、ブルーノの言葉の意味や重みは頭で理解できても、なんとなく重みが感じられず、感情としては、微妙に納得できませんでした。
そのため、できればブルーノの物語をもっと描いて頂きたかった、と思いました。