劇場公開日 2020年12月25日

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「演説だったら感動していた」映画 えんとつ町のプペル にのにのさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0演説だったら感動していた

2021年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

初めてこういうレビューを書きます。少なくともこの映画は、観た人に何か言わせたくなる作品です。
個人的に、低評価も高評価も充分納得できます。主観ですが低評価なのは、物語を観に行った人。高評価なのは、作品に籠められたメッセージを受け取りに行った人ではないでしょうか。私は前者でした。

この映画はメッセージ性が強く、展開やセリフで明確にそれが示されます。
メッセージの内容自体は肯定しますが、例えばキャラの目的や背景、考え方がいまいち掴めない段階でメッセージ性の強いセリフを言われると、声や見た目が違うだけで、全部作者が喋っているように聞こえます。

子どもにも分かりやすくするには大切かもしれませんが、あまりに直接的で、キャラやストーリーをメッセージを伝えるための舞台装置のように感じてしまいました。
登場キャラの行動や価値観が「作者側」か「作者の敵」に二極化しているように思え、全体的にキャラが個々の考えを持って生きている人だと感じられず、物語としては不満でした。

ただ、メッセージそのものはパワーがあって心動かされました。なので、この作品は映画じゃなく、演説だったら感動したと思います。

にのにの