劇場公開日 2020年12月25日

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「泣ける作品。惜しむべくは公開時期「だけ」…。」映画 えんとつ町のプペル yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0泣ける作品。惜しむべくは公開時期「だけ」…。

2020年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年63本目。投稿が少し遅くなりました。

さて、こちらの作品。いわゆるスチームパンクものという分野ではないとは思うのですが、世界観がそれに似ているので、その手の小説なりアニメなりで「相場」がわかっていると話に入っていきやすいと思います。

ストーリーは非常にわかりやすいし、子供のお客さんが来られることも想定したのか、あまり話に「二重三重のトリック」は入っておらず、途中からは完全に勧善懲悪ものになります。
みんながそう思っていない、あるいは、何らかの過去のできごとで「もう閉ざしてしまったもの」に対して、「その先には何かあるはずだ」と考えて動いていく主人公のお話。これってとても大切なのですよね。観念がじゃまして「そんなことをしても無駄」「どうせ何もあるはずもない」「もし何かあるとしても大きな権力に勝てるはずがない」という思い込みやあきらめがあります。それを乗り越えて、その主人公が「見たかったもの」を見るところでお話は終わります。あえてそのあと複雑にしていないのも、お子さんが見ることを想定してのものでしょう。

この作品、私もいい歳してますが…(お年を1つとってしまいました…)涙しましたね…。こんな作品、今年ではヴァイオレット~だけだったと思います。それだけ人の心をつく良い作品なのだと本当に思います。アニメだからなのかな?人の心を揺り動かす、そんな描写ができるのって。でも、アニメに限った話じゃないからね…。来年(2021年)は実写版でもそんな良い映画に出会えることを楽しみにしています(あえてあげれば「10万分の1の涙」はそれに該当すると思います)。

また、多くの方が触れていた通り、画像がとてもきれいです。構想にどれだけの時間がかかったか、調べられませんでしたが、このコロナ問題の中、色々な映画が延期になり(この映画も例外ではない)発表され、本当に映画とは思えない不思議な世界に引き込まれた100分ほどでした。

 減点要素は本当にないですね。はい。
ただ、本当に多くの方が惜しむべきは公開時期なのかな…と思います。確かにコロナ問題があり映画が「押し押し」で遅れて公開されている以上、ある週にアニメばっかりということになっても困りますが、今年に限っていえば、鬼滅の刃が一強、それにヴァイオレット~が続き…という中で、やっと年内最後の25日に公開されたというのは、本当に良い作品なのですが、いかんせん2020年はあともう数日ほど(これを書いているのにいたっては、あと25時間ほど)。「ヴァイオレット~」と同じように誰かを傷つけたり傷けられたりというストーリーでもなく、見ていて気持ちがすっきりするし、明日から頑張ろうという気持ちも沸くし、ストーリーが伝えたかったこともはっきりする映画です(前者は、手紙や気持ちを相手に伝えることの大切さ、後者=この映画…は、勇気を出してタブーとされるものに手を出して閉じられた世界をあけていく…ということ…)。

 減点要素なしなので、5.0としました。本当に良かったです。
まだまだ公開されていますので、まだの方ぜひ行ってみてください。
絶対損はしませんよ。

yukispica