劇場公開日 2020年12月25日

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「悲しくない涙がこぼれる映画」映画 えんとつ町のプペル MJ23さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0悲しくない涙がこぼれる映画

2020年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

公開初日に見終わった後に一番最初に思いついた感想がコレでした。
個人的には最後の盛り上がりよりも、ストーリーの途中で登場人物が見せる人間関係や感情の揺れ動きに涙が出ました。

その背景には観衆の涙を誘う悲しいシーンは、美しい映像と映画館ならではの音響で描かれているのですが、なぜか嫌な気持ちにはならなかったです。

大切な人を失ったりしたら悲しいじゃないですか?
その時に流す涙はツラくないですか?
えんとつ町のプペルを観て流す涙は清々しかった。
切ない話のその先には明るい希望が見え隠れするから、心の中が悲しみ一色に覆われないのかなぁ。

西野亮廣氏は戦略家で有名ですから、映画を観る人々の感情を先読みしているのでしょう。
それが鼻につく人々も多いでしょうが、そんなの気にせず映画館での100分間に身を委ねれば楽しい時間を過ごせます。

王道アニメのど真ん中を行くストーリー展開ではありますが退屈しないようにていねいな設計がされた映画です。
よく映画の番宣で「老若男女、全ての世代に楽しんでいただけます!」という告知を聞きますが、実際は来館者数を増やすため顧客層をなるべく多く取るのが目的なだけだったりします。

このえんとつ町のプペルも同じような宣伝をしていますが、もう一段階掘り下げています。
仕事をしている大人はビジネス視点から映画を考察することが出来ます。どうやってこの映画が製作されているか?を調べれば自分のビジネスに多く転用出来るようことに気が付きます。
クリエイターはそのクオリティの高さから学べることは多いでしょうし、子供はにぎやかな色彩感覚だけでも100分間楽しめます。
家族連れならみんなで仲良くしよう、という平和なメッセージを受け取ることが出来ます。

それらをひっくるめて【老若男女】と呼びかけをしている。

寒い季節に温かい涙を流すとなんだか優しい気持ちになれますよ。
リピートします!

MJ23