劇場公開日 2020年12月25日

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「人生最高の映画になった」映画 えんとつ町のプペル ひろしさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人生最高の映画になった

2020年12月29日
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鑑賞方法:映画館

知らないものを毛嫌いしちゃダメ

⚫︎まず感覚的に毛嫌いせず観てください。お金を出すのが嫌ならいつかテレビでやるまで待って、それを観てください。
あと、西野亮廣さんのことが嫌いだから観ないのはもったいないです。
きっと西野さんがブサイクだったり、仕事ができない感じだったらこんなに嫌われてなかったと思います。
スカしてるように見えるし、関西人なのに標準語を喋ろうとしてるし、異端児気取りしているように見えるから何となく嫌いなのかもしれませんが、映画に西野さんは出てこないので嫌いでも観てください。
毛嫌いしていた人ほど価値観が変わります。

さて、前置きが長くなりましたがここからが感想です。

⚫︎コロナが来ることを見越して作ったのかと思うほど今年の世界を投影したかのような世界観がまずすごい。今年辛い思いをした人、悔しい思いをした人こそ、観てください。自分の可能性を信じる気持ちが湧き上がってきます!

⚫︎挑戦する人への応援歌
「えんとつ町のプペル」は挑戦する人への応援歌のようなもの。
ゴレンジャーになりたかった子供の頃、この映画を見ていたらアクションスターの養成所に通っていたかもしれない。
中学生の時に見ていたら、進学校ではなくプロ野球選手を目指して違う学校を選んでいたかもしれない。
大学生の時に見ていたら、勉強するのがカッコ悪いと思わずにその頃から起業を考えられたかもしれない。

⚫︎大人も自分ごととして学ぶ姿勢に見るべき
・子供はやりたいことをはっきりと公言し、胸を張ってそれをやり切る人間になれる。自分の人生を無限に展開できることを知ることができる。

・親は世間体や自分達の常識でそれを否定することなく全力で応援してあげる人になれる。
子供の夢を実現するための環境を全力で作る素敵な親になれる。
(子供の壮大な夢を潰すドリームキラーになってはいけない。自分の価値観を押し付けることはヒト一人の人生を狂わせる原因になる。犯罪よりも罪深いと思います。)

・何となく生きてる大人はきっと仕事が最大の遊びだと気づいていない。
この映画は本当にこの仕事でいいのか?と考えるきっかけになる。自分を信じれば、嘲笑する人や悪口を言う人が気にならなくなる。
誰かのために生きているのではなく、自分のために生きているんだと自覚できる。

サラリーマンが嫌で、自分自身が直接人の役に立ちたいと思い、起業し、整体の道を選んだ。

今、サラリーマンをしている人の中には気の遠くなる時間を不本意ながら自分の使命とは程遠い部署で浪費し、消耗しきって意志力も枯れてしまっている人がいるかもしれない。

僕自身も経験したからわかるんですけどサラリーマンって会社に洗脳されたり、自ら洗脳されようとしていたりする。自己犠牲の精神でいることが自分の周りの小さな世界の平穏を維持できる方法だと解釈している人が多い。

これ、思いっきり言い訳だと思います。

「えんとつ町のプペル」はそれを気づかせてくれる類稀な映画です。

⚫︎経済の話
シルビオ・ゲゼルというドイツ人経済学者の本にも書かれている「腐るお金」。
それにも触れられていて今後の西野さんの活動を予感させるテーマとして関心があります。

⚫︎没入するための脇役人の魅力がすごい!
小池栄子さんと藤川慎吾さんの声優っぷりも見事でした。違和感なく映画に没頭させてくれるあたりはジブリとは違います。ジブリはいい映画でも声優さんが棒読みで没入できないことがよくある。これは声優さんのせいではなく、製作側のミスだと思いますが。

⚫︎人の話をしっかり聞くべき
他人から聞いた噂がたまたま真実の側面を捉えている時があります。確かにそうかもしれないけど、俯瞰するとそれは事実の一部ではあるけど、真実ではない。
たまたまのミスもある。
一方からの噂を聞いて真実と捉えるのではなく、もう一方の言い分も聞くべきだし、判断を急がないことが大切

⚫︎人は内緒の話をしゃべってしまう
秘密は作れない。自分が話したことで、聞いた人がストレスになることもある。うっかりしゃべってしまったらその人は加害者になる。
秘密を共有することで仲間意識は高くなるけど
、秘密を自分の中に留めておくことで守れる人がいる。
人のことを喋る人が多いということも学びになった。

⚫︎ルビッチの家族
※ここからは少しネタバレに感じる人もいるかもしれないので、これから映画を見る人は読まないでくださいね。映画の台本も公開されてるからネタバレはずっと前にしてるんですけど、念のため。

僕は父親を8歳の時に亡くしています。歩きながら意識を失い、後頭部を強打。血の泡を吹いてそのまま亡くなりました。僕の目の前で。今でも父の表情をはっきりと覚えています。それくらい衝撃的な出来事です。当時、母子家庭は少なかったので、みんな心配してくれるのですが、その哀れんだ目がツラかった。
そこから卑屈な性格が芽を出した気がします。
との目を気にしながらいあるようになって、本来のポジティブな面にブレーキをかけていました。

そんな背景もあって、ルビッチには共感するところがあり、めちゃくちゃ勇気をもらったし、めちゃくちゃ感動しました。

自分の人生を生きるために頑張ります。こんな長文も以前なら投稿するのを躊躇っていたと思いますが、もう気にせず生きていきます。
「文句があるなら関わらないでください」と言えばいいだけですから。
攻撃してくる人の理念を証明するために僕は生きているのではないということ。

自分の求める生き方を設計します。

あ、設計といえば、エンドロールで流れる船の設計図が凄すぎて、そこで涙が止まりました。
船の内部なんて映画に関係ないのに、架空の町の世界観を壊さないために一から書き上げたのだと推測しますが、そこにそんなに時間使いますっていうくらい手が混んでます。
誰も気付いてなくても自分が見ているからやるんですね。

ベストシネマ!
最後の最後までご自身へのメッセージを探してみるときっと、あなた生涯で最高の映画になると思います。

僕は今日もう一回観に行きます!

ひろし