「ストーリーの組み合わせ方や構成は好みだった」STAND BY ME ドラえもん2 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーの組み合わせ方や構成は好みだった
昨年九月に夫を亡くした。
娘は父親を亡くしたわけで、死ぬ前の数ヶ月間は抗がん剤で冷えて痺れる手足をマッサージし続けその間に父親の言う
「この子(娘の子、つまり孫)が小学生になったランドセル姿をせめて見てから逝きたいもんだなあ」という言葉を聞き続けた。
私は、こんなに毎日マッサージし続けたら、この娘は父親の死後どんなに辛く悲しかろうかと、娘の心情を思いやったものだった。
だがそれをせずに父親が逝ってしまえば、しなかった事を悔いるのだろうとも思った。
その父親の言葉と全く同じ言葉を のび太のおばあちゃんが言うのだ。
映画館で見た娘は 号泣でどうしようもなかったと言った。
私にも自分の姉(長女)にも映画館に行くように強く勧めた。
それをこのたび配信で見た。
娘が見た時より時間も経っていたし、また立場も違うため
娘のような号泣はしなかったし、それよりも冷静に作品として見ることが出来た。
感情抜きで。
冒頭から、謎を引っ張る形の構成は面白味はあった。
ドラえもんにおいて
同時に同じ人物が存在しないとかのドッペルゲンガーのような理屈はナシっていうのは周知の事。
しずかちゃんもジャイアンもスネ夫も出来杉も、ドラえもんの事は先刻ご承知である。
秘密はないのだ。
もちろんパパもママもである。パパに至っては自分の扶養家族くらいの意識さえある。
のび太の時代からたった数年で(10年くらい)
こんなに世の中が100年たったかのような進歩をしてるのも
もはや、どうでもいいです設定。
未来デパートは大サービスで製品を持って来てくれるし、今回はその新製品がストーリーの鍵。
何でもあるからと言ってなんでも思い通りになるわけではないのだ。
複雑に絡み合う起承転結を上手くストーリーにしていると思った。
まあ いろいろご不満もおありの方々はおいでのようだが、
そうも悪くはなかった。
娘のような涙は一滴も出なかったし、そんなに泣け泣けとせっつかれてるような展開にもみえなかった。
なので「ドラ泣き」みたいな言葉こそが不要だと思った。