劇場公開日 2020年11月20日

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「「ドラ泣きふたたび。」は、やや誇大広告過ぎたかも?」STAND BY ME ドラえもん2 HALU6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「ドラ泣きふたたび。」は、やや誇大広告過ぎたかも?

2020年12月6日
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鑑賞方法:映画館

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年に1度の「映画の日」に、この『STAND BY ME ドラえもん2』を滋賀県大津市の大津アレックスシネマで鑑賞。

国民的な漫画・アニメである「ドラえもん」に関しては、漫画もアニメも映画も、かなりご無沙汰しており、大ヒットした前作に相当する3DCGアニメ『STAND BY ME ドラえもん』(2014年)はあいにくと未見。

ドラえもんのお話自体は、のび太の子孫が先祖であるのび太に、もう少ししっかりしてもらわないと、未来に生きる自分たちの生活まで脅かされるということで、その指南役として、ネコ型ロボットのドラえもんを派遣したのが、そもそもの始まりのお話しでしたから、小学生の、のび太がドラえもんと共に、過去・現在・未来を往来するのはタイムパラドックス的にも別に問題はないし、むしろ、そうでもしないと事態は好転しないかと思います。

しかしながら、小学生の時点の、のび太が同じ時代に2人も存在するのは、タイムパラドックス的にもマズいかと思うのですが、その点で今回は時間軸的に微妙に違和感があるシーンがあったりするのも、本作の評価が真っ二つに賛否が割れる一因になっているのかも知れないですね。
私も今作ではその点にはタイムパラドックス的な観点から多少面食らいました。

映画の内容自体は、私も大好きなお話の『おばあちゃんの思い出』『のび太の結婚前夜』『のび太が生まれた日』の3つのエピソードを上手く融合していて、1つのお話しにしていましたが、それぞれが鉄板ネタのエピソードなので、感動せざるを得ないかとは思います。

その中でも『のび太の結婚前夜』のエピソードのみが、何故にのび太が結婚式を逃げ出してしまうのか?といった理由付けがかなり弱くて、ちょっと浮いた感じになっていたのが気懸かりでしたね。
単なるマリッジ・ブルーな精神状態にしては、かなり動機付けが弱すぎた様な気もしましたから。
その点からも、前作については知りませんが、今作の「ドラ泣きふたたび。」は誇大広告過ぎたような気もしましたね。

とは言え、タイムリープもの映画としては、序盤「?」と思われる不思議なシーンも終盤には伏線の回収が、ちゃんと出来ていて、その点は感心だし、それこそタイムリープものの醍醐味を味わせて貰いました。

個人的には、過去の小学生の、のび太と大人になったのび太が直接顔を合わし共に行動するというのも、タイムパラドックス的には、如何なものかとも思うのですが、昔からのドラえもんの世界観の中ではそれもOKなんでしょうね。

また、今作ではドラえもんが未来のひみつ道具を大掃除で片付けている最中にタイムマシンに乗って出掛けてしまう設定から、使えるひみつ道具が非常に限られている点も、結果的には、ハラハラドキドキさせる一因になっていて脚本的には面白い仕上がりになっていたとは思いました。

また、前作未見なので、私たちにとっては余計に、本作での3DCGアニメでの表現がすごくリアルに感じられて良かったです。
のび太の寝グセやタケコプターで空を飛んでいる際の髪の毛の風のなびき具合まで超リアルで、その点だけでも感動していました。

一緒に観ていた年老いた父親も、映画の内容以上に、「ROBOT」の製作による、現在の3DCGアニメの技術力の進歩に驚いていたみたいでした。

ジャイアンとスネ夫との大人になってからでも続く厚い友情には、ちょっと羨ましくも感じました。

でも、今作に関しては、大人になったのび太の優柔不断ぶりにはイライラさせながらも、大人になった、しずかちゃんがあまりにも寛大で素敵で女神過ぎましたね。

ヴォイスキャスト(声の出演)として、大人になったのび太役の妻夫木聡さんも、のび太のおばあちゃん役の宮本信子さんの声の演技も雰囲気を上手く掴んでられて、なかなか良かったでしたね。

最後のエンディング主題歌の菅田将暉さんが歌う『虹』という曲もなかなか良くて、結婚式で歌う曲の定番曲にもなりそうでした。

私的な評価と致しましては、
同じ時代に2人も3人ものび太が存在するといった点からは、タイムパラドックス的には、やや違和感も感じる部分もありましたが、この昔ながらのドラえもんの世界観ではOKなんだと納得させながら観ました。

そして、鉄板ネタのエピソードの『おばあちゃんの思い出』と『のび太の生まれた日』はなかなか感動的でもあったのに比べて、『のび太の結婚前夜』のエピソードが、結婚式から逃げ出す事が、単なるのび太のマリッジ・ブルーな精神状態だとしか思えず、優柔不断で我が儘な印象としか受け取れなくて動機付けが弱くて共感し難いのが玉に瑕だったかも?

久しぶりに、ドラえもんのアニメをこの映画で観ましたが、ドラ泣きは誇大広告過ぎるかとは思いましたが、総花的に観れば、鉄板ネタのエピソードをまとめた映画だけに感動させられる部分も多々あり面白く観ることが出来ました。

同じ山崎貴監督の『ルパン三世ザ・ファースト』の3DCGアニメはイマイチ気持ちが悪かったのですが、この「ドラえもん」に関しては、3DCGアニメに良くマッチしていて、私はそのリアル感には感激しましたね。

従いまして、五つ星評価的には★★★★の四つ星評価の高評価も相応しいアニメ映画だったと思います次第です。

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HALU