「まるで成長していない……」STAND BY ME ドラえもん2 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
まるで成長していない……
正直この作品は観る気が無かったけど
他に候補が見当たらなかったためまあいいやと観賞
ドラえもんは人並に好きでおおまかなエピソードが
頭に入ってるくらいです
前作のスタンドバイミー1はなんかで観ましたが
宣伝で使われる「泣きドラ」というコピーには
拒絶反応を示していました
ドラえもんで藤子F先生が構築したフィールドは
ブラックであったり腹を抱えるほど面白かったり
環境問題や社会問題を扱ったり先生の趣味であろう
SFを盛大に扱ったり何でも入るおもちゃ箱だと思います
その中から泣ける話を抜き出してそれに世界観を
当てはめていく今シリーズの作風は反感も強くて
当たり前だろうと思っていました
あと山崎貴監督作品はドラクエもルパンも観ましたが
「いらんことをやる」前科から訝しんでも仕方がありません
そんな今作の感想は
・いよいよ泣くどころじゃない
・強引すぎる伏線
・原作(おばあちゃん)レ○プ(酷使)
・帳尻合わせのなんだそりゃ秘密道具
・相変わらず登場人物らの性格変えすぎ
・おまけにドラえもんが空気すぎ
・ディズニーっぽくしたいならディズニーに頼め
・誰向け?客観的なテーマって結局何?
など前作とほぼ変わっていないヒドさでした
80億稼いだ名作に改善点はないってか
ママに0点のテストを見つかり叱られて泣くのび太が
ふとおばあちゃんに会いたくなったところから話が始まりますが
部屋でドラえもんと騒いでると突然
何の説明もなく机から煙?魂?のようなものが飛び出し
のび太の口に入ったと思うとバタッと倒れますが
すぐ気が付きのび太が急にタイムマシンに乗り込みます
その後すぐ帰ってきて「君たちに送ってもらった」と言い
何事もなかったかのようにたくさん隠してあるテストの
隠し場所と上に上がってくるママバタバタしてる合間を
透明になった明らかにドラえもんが何かを取りに部屋に入り
ドラえもんとのび太の後ろをすり抜けてまた机に戻っていきます
なんだいまの???
観た人は思ったはずです
まあこれ後々の回収しに来る伏線なんですが
こんな乱暴な張り方をしている時点でろくなシナリオじゃないな
と開始10分足らずで絶望するには十分ですよね
これが山崎貴クオリティとなっております
でおばあちゃんに会いに行くのですが
過去に短編映画にもなり当時子供に見せに行った明石家さんまも
ガチ泣きしたという「おばあちゃんの思い出」です
おばあちゃんは大きくなったのび太を全く疑う事無く
その頃まで生きていられないと言ったおばあちゃんに
のび太がランドセル姿を見せに来る名シーンを再現しますが
今作はそれに加えておばあちゃんがお嫁さんも見たい
という要求もすることで結婚式間際のエピソードに変わります
ここも勝手に足す山崎貴クオリティです
もう一つ要求を足すことでおばあちゃんがタイムマシン等を
把握しているような印象に変えられてしまっていますが
原作の印象からは全然そうではないと思います
そこからは前作同様小エピソードの組み合わせ
これは前作でも指摘されていましたが毎度毎度
のび太の反応がリセットされており話が先に進みません
原作では各エピソードの前にのび太がニュートラルに戻って
始まるわけですから当たり前です
世界観もおかしな事になっています
おばあちゃんが生きてる(のび太3歳くらい)
→1960年代くらい
現代(のび太10歳くらい)
→1980年代くらい
大人のび太(25歳くらい?)
→近未来
とものの20年ちょっとで別の惑星みたいになっています
世界観は原作なりですがこれって
意図的に未来は別世界かってくらい未来を描いていたと
思うんですが実際に年数をくっつけると違和感が強いです
映像も綺麗だと言いますがピクサー系を意識してるだけの
重量感のないヘロヘロした動きの良さが分かりません
ディズニーみたいにしたいならディズニーがやってください
結局ドラえもんの中におけるのび太としずかちゃんの
結婚って「約束されたゴール」でしかないんですよね
この映画はそれに無理矢理理由を付けようとした結果
しずかちゃんがのび太の全肯定の聖女になってしまって
いますがこれも違和感が大きいし何より
キャラが薄すぎてしまいます
そして何よりこれらの指摘は
6 年 前 の 前 作 で も
す で に 指 摘 さ れ て い た 事 で す
久しぶりにライムスター宇多丸の前作の批評を
聞いてみましたが今作の批評にもそっくりそのまま
使えるフレーズばかりで驚きました
成長していないのはのび太同様この映画もでした
懐かしいと思って見に来るいい大人に
共感できない俺解釈を投げつけられる今作の価値
自分には理解しかねます
これだけボロクソ言ってますけど
山崎貴監督はリターナーで知って
あれは予想外に面白かったので期待できる監督と
言う認識でいましたがその後の作品を観ていくごとに
あれは何だったのか
もっと色々サポートいる人なんだろう
という評価に変わっていきました
オリジナルで勝負した方がよくないかな
原作ものをこの人にやらせる戦略が
こんな出来ばっかりだとちょっとわかりません
とにかくアニメで泣きたいんなら
これより劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンをおすすめします