劇場公開日 2022年7月15日

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「少年グルーのミニオン大修行」ミニオンズ フィーバー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5少年グルーのミニオン大修行

2022年7月18日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

確か、『怪盗グルーのミニオン大脱走』を観に行った時だったっけ、

劇場受付「ご覧になる映画は?」
私「『怪盗グルー』で」
劇場受付「そちらの映画は上映しておりません」
私「あ、『ミニオン』…」
劇場受付「『ミニオン』ですね」

いや、“怪盗グルーのミニオン大脱走”やろ! ミニオン主役じゃなく、親分の映画やろ!
…てなぐらい、今やすっかり親分以上の人気者になった奇妙でユニークな黄色い連中。
単なるサブキャラだったのが、本家以上の人気となり、スピンオフの主役作も作られるなんて、こんなに愛される映画サブキャラもなかなかに居ない。
という事で、(親分の第3作目を途中に挟み)スピンオフ主役作7年ぶりの第2作目。
尚、今回は奴らが主役なので、ちゃんと“『ミニオン』で”と言いました、ハイ。

人類が誕生する遥か太古から地球上に存在していたミニオンたち。
最強最悪のボスに仕える事を生き甲斐とし、前作のラストで遂に出会ったのが、現ボス…の子供時代。
で、彼を“ミニボス”と慕い、悪戯に明け暮れる毎日。
ミニオン主役だけど、“少年グルー”の物語でもある。

スーパー悪党を夢見るグルー少年。憧れの大悪党集団“ヴィシャス・シックス”の新メンバー面接に意気揚々と向かうが、子供だとバカにされ、腹が立ったグルーは彼らから伝説の石“ゾディアック・ストーン”を盗む。
追われ逃走中、今回初登場の新ミニオン、オットーに石を託すも、無くしてしまい…。
石を狙うのは他にもいた。グルー一番の憧れの大悪党、ワイルド・ナックルズ。元ヴィシャス・シックスのリーダーだったが、現リーダーのベル・ボトムらに裏切られ…。石も元々彼が盗んだもの。石を取り戻す手掛かりとして、グルーはナックルズに誘拐されてしまう…! ミニボスを助けようとするお馴染みケビン、スチュアート、ボブ。
一方のオットーは、石を追って…。

…というように、誘拐されたグルー、救出しようとするトリオミニオン、石を探すオットーの3つのエピソードが交錯して展開。
グルーとミニオンズと悪党たちがワチャワチャ入り乱れる大騒動の中にも、
石を無くしてしまった事でミニオンたちをクビにするグルー。それでもミニボスを救おうと、石を探そうとするミニオンたちが健気。
誘拐されたグルーだったが、ナックルズは過去の栄光にしがみつく老いぼれで、今の仲間にも見捨てられる。実は独りぼっちのナックルズと、師弟として絆を育んでいくグルー。
敵のヴィシャス・シックスは裏切り上等。強敵だが、こちらの武器は…。ナックルズとグルー。そしてグルーとミニオンズ。仲間パワー!
ドタバタ大騒動の中にも、仲間、絆、友情、諦めない事など、普遍的なメッセージを込める。

いつもだったら、ストーリー性が…とか言う所だけど、それは作品によって。
本作に限っては、ストーリーやメッセージ云々より、キャラとワチャワチャの楽しさ!
(それにストーリーだって、親分1作目には及ばないものの、前作よりかは向上していたと思う)

やっぱりミニオンたちのキュートなリアクションが楽しい。
いつもながら何言ってるか分からないのに、何をしてるのか分かるという不思議。(吹替で鑑賞したからかな、時々カタコトの日本語も混じってたけど)
実は一人一人、名前や個性があるミニオンたち。
今回の新ミニオンのオットー。はっきり言って、ドジ。と言うか、ミニオン皆そうだけど。
だけどそのドジな所が、何だか自分と重なったり。
しっかり者だったり、ムードメーカーだったり、甘え上手だったり…自分に近いミニオンをついつい探してしまう。実はとても人間味たっぷりミニオンたち。
太古の昔から生きていて、不死身でもあったりして、だけど“最強”なのは、あのうるうる瞳!

今回は70年代が舞台。当時のヒットナンバーもふんだんに使用して、気分はディスコみたいにノリノリ。展開もテンポ良く。
アクションも痛快。ラストは怪獣映画みたいだったけど。
映画ネタもいっぱい。中華街でカンフー・マスター、チャウに弟子入り。ブルース・リーな衣装を着、ジャッキー・チェンばりの修行。
序盤、グルーとミニオンたちが観る映画はあのサメ映画。
チェイスはあの爆走カー・アクション映画みたいだったり、冒頭のトラップだらけの洞窟はあのアドベンチャー映画みたい。
個人的に一番ツボったのは、OPタイトル。グルーのシルエットと華麗に踊るミニオンたち…って、これ、まんまあのスパイ映画風!

シリーズリンクネタも。
外見はレコード店だけど、実は地下はヴィシャス・シックスの隠れアジトに繋がっていて…。そこのガジェット開発の若き科学者は、後にグルー一味となるアノ人!
“反悪党同盟”もこの時から登場。あ、グルーママも。
それから、何故グルーは月を盗む大計画を立てたのか…? シリーズ第1作へと繋がる“目標”も。
同日公開の『キングダム2』が“天下の大将軍”への第一歩なら、こちらは“天下の大悪党”への第一歩!

ナックルズは良かったけど、現ヴィシャス・シックスがちと敵キャラとしてインパクト弱かったかな…? 敵キャラなら前作のスカーレット・オーバーキル一人の方がインパクトあった。
でも、見終わってからインパクト。ヴィシャス・シックスの男連中のオリジナル声優の面子に驚き! 吹替で見たから全く分からなかった…。
吹替と言えば、何で少年グルーの声を、おっさん声丸出しの鶴瓶師匠が続投?…なんて声もあるだろうが、今さら声優チェンジも違和感だし…。日本では、グルー=鶴瓶師匠で定着。あの声まんまなのは、敢えて。ご愛嬌。
それに、オリジナルでもスティーヴ・カレル続投だし。(でも、ちゃんと声色変えてやってるとか)
それに、『サザエさん』だってダミ声の子供いるし。

まあ、つまり、固い事抜きで。
ハチャメチャワチャワチャ、キュートで愛らしいミニオンズ(と少年グルー)なんだから。
ミニオンたちもこう言ってる。

タノシンデ~!

近大