「単体の作品としても十分に楽しめる上に、最終的にはシリーズ出発点の前提が明かされる無駄のない秀作。」ミニオンズ フィーバー 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
単体の作品としても十分に楽しめる上に、最終的にはシリーズ出発点の前提が明かされる無駄のない秀作。
ミニオンたちは様々な言語が入り交じる「ミニオン語」で話し、バナナ風の独特な可愛らしい体系で、言動にユーモアがあふれていて、見ているだけで和むのですが、そもそもは「最強最悪のボスに仕えることを生きがいとする」という設定です。
このギャップからして既に面白いのですが、本作では、ディスコやカンフーなどが流行った1970年代が舞台となっています。
そのため、最強最悪になろうとするグルーは11歳の少年です。
本作は「ミニオンズ」の第2弾ですが、少年グルーがどのように怪盗グルーになっていくのかを描いています。
単体の作品でも十分に楽しめるのですが、2010年の「怪盗グルーの月泥棒」 から見てきている人には、「なるほど、ここでグルーと●●が知り合うのか」など、まさにシリーズの出発点が見える構成にもなっているのです。
もちろん本作の影の主役はミニオンたちで、1970年代の世界において、少年グルーこと「ミニボス」のために全力で弾けまくっています。
1970年代と言えば、ブルース・リー主演の映画「燃えよドラゴン」が公開され世界中が熱狂しましたが、本作では重要な目的のため、「燃えよミニオン」の如くミニオンたちがカンフー・マスターに弟子入りを志願します。
音楽も1970年代の有名なヒット曲を現代のアーティストがカバーし、熱狂(フィーバー)を誘います。
まさに「ノンストップ・アトラクションムービー」として非常にテンポが良く、約1時間半とは思えないほど、世代を問わず、かなり凝縮された時間を楽しめる作品です。