「中国がテロ阻止に孤軍奮闘」ピーク・レスキュー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
中国がテロ阻止に孤軍奮闘
東南アジアで開かれるサミットの核爆弾テロを中国特殊部隊が阻止しようと奮闘するアクション映画、サイドストーリーに訳ありで別れた夫婦の復縁のメロドラマ。
ポスターに戦車やヘリコプターが映っていますが出てきません、ハリウッドのアクション大作を真似た過剰宣伝でしょう。
ミャンマーでの爆弾の取引現場を特殊部隊が急襲するが失敗、爆弾を持ち去ったのは売り手のロシア人グループのNo.2ドゥーウェイ、起爆パスワードのUSBはバイヤーと同行した鑑定役と思われる中国女に奪われる。
中盤はUSBを取り返そうとするドゥーウェイ一味と女を守る特殊部隊の攻防、実は女は隊長の元妻で中国の潜入エージェント、隊長を任務に指名したのも彼女だったらしい。この辺は謎の女としてミステリアスにしたかったのでしょう。必然性の無い水着ショットなどはアメリカのB級映画の臭いがしますね。
ミャンマーというのも中国のお家事情が垣間見えますね、ただテロリストといえばISあたりが相場なのに売り手のロシア人がテロ決行というプロットもどうなんでしょう。中国人のロシア観としてアンチ欧米の旗頭として観ているのでしょうね。普通ならCIAが黙って見ている訳はないのでしょうがそこは中国映画ですからテロ阻止に孤軍奮闘、国際貢献。
三角関係を匂わせたり花売り娘を守って殉死とかメロドラマ要素も織り込んで頑張ってはいますが、肝心のアクションが残念、手持ちカメラでブレブレのアクション・シーンは見づらくて閉口、一時こんな手法がリアルっぽいと流行りましたが未だに使われていたのですね。
テロ阻止ものは多く「トータル・フィアーズ(2002)」など実際に一線を越えてしまったものもある中では凡庸の部類ですが中国製といった興味で鑑賞、意外にも印象に残ったのは花売りの少女、子供の健気に働く姿、無残に踏みにじられる花束の描写などベタに上手、この監督さんはアクションものより文芸ものの方が向いている気がしました・・・。