「レニーのクリスマス愛が炸裂する『ダイ・ハード』オマージュ塗れの密室スリラー」ハード・ナイト よねさんの映画レビュー(感想・評価)
レニーのクリスマス愛が炸裂する『ダイ・ハード』オマージュ塗れの密室スリラー
舞台は香港、豪雨に見舞われたクリスマスイブの検死センター。夜勤の監察医ニックと北京から来た研修生のリンは世間の喧騒をよそに黙々と検死作業をしていたが、そこに現れたのは仮面を被った3人の武装強盗。彼らの要求は金銭ではなく、今日持ち込まれた女性の遺体だった。
最初から最後まで典型的な香港産サスペンスですが、なぜか本作の監督が『ダイ・ハード2』や『クリフハンガー』のレニー・ハーリン。個人的には『フォード・フェアレーンの冒険』とか『ロング・キス・グッドナイト』など大好きな作品を世に問うた大好きな監督、世間的には『カットスロート・アイランド』で大赤字を出してしまい、第一線を退いて地味なスリラーばっかり撮る職人となっていてなかなか近作が観れてなかったんですが、まさか香港まで出稼ぎに行ってるとは知りませんでした。しかし正直この人選は見事で、個人的に大好きなスリラー『マインドハンター』にも似たミニマルな舞台でのスリラーを緊張感たっぷりに描写してみせる職人芸は圧巻。自身の代表作『ダイ・ハード2』ではなくて『ダイ・ハード』オマージュをあちこちに散りばめてる意図が全く解らないですが、一応ファンサービスってことですかね。見た目バイキングの末裔ですがクリスマス大好きアピールが可愛いレニー、本作も全編メリークリスマスですが舞台が検死センターなので七面鳥代わりに遺体のフルコースがふるまわれるよくわからん贅沢さ満点でゲップが出ます。ご馳走様でした。
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