恐竜が教えてくれたことのレビュー・感想・評価
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とってもかわいい映画
家族でバカンスに来ていた男の子。母子家庭のおませな女の子と出会う。男の子は、家族の中で自分が最後に死ぬからと、一人で過ごす練習を始める。
女の子は実の父親に会いたくて、ある作戦を実行。男の子も協力して最後はハッピーエンド。
勝気な女の子だけど、実は父親に会うことを一心に願って行動する姿が健気。
振り回される男の子もかわいい^ ^。
老人が教えてくれたこと
児童文学が原作だし、少年がバカンスに訪れた島での淡い初恋の話かと軽く思っていたら凄い傑作でした。優れた児童文学は老若男女を問わず心を癒してくれるのですね。
原題は「テスとの私のとっても奇妙な7日間」で、恐竜も化石も出てきません。ただし、恐竜のメタファーのような独り暮らしの老人が出てきます。
サムは11歳、目下の悩みは哲学的、生きとし生けるものはいずれ皆死ぬという定め、自分は末っ子なので一人で死ぬのだろうか、愛する人たちが居なくなってしまったら耐えられるのだろうか・・・と頭を痛めている。口癖は「最後の恐竜は自分が最後だと知っていたのだろうか」、邦題の恐竜はそこからとったのでしょう。
私も同じくらいの頃に可愛がってくれた祖母の死や愛犬との別れなどを経験、別れや悲しみの存在を知り、だからこその日頃の優しさの大切さに気付かされたことを今更ながら思い出しました。身近な死は情操教育の側面もあるのでしょう、とは言うものの齢を重ねると自身の俗っぽさが気恥ずかしく、別人のようにも思えます、トホホ。
登場人物は皆善人なので肩の力を抜いて安心して観ていられるし、ベタな話やお涙頂戴になりそうなところを軽妙なタッチで爽やかに映しだす、脚本の上手さ、監督さんのセンス、奥ゆかしさがひしひしと伝わります。子役も自然な振る舞いで名演です、オランダ映画の珠玉の傑作でした。
サム少年のひと夏の冒険
オランダに住む11歳のサムは、夏に1週間オランダ北部の島に家族とバカンスにやってくる。
サムは最後に生き残った恐竜は仲間も居なくて寂しくなかったのか?ボクは末っ子だし、家族が死んだら自分が1人だけになる、、、そんな事を考えていて、バカンスの1週間、毎日1人の時間を作り1人で過ごす訓練を始める。子供らしい発想で、ほのぼのとしてなんか可愛い😍。本人は至って大真面目なんだけどね😄
日本人には、家族旅行は行っても、こんなふうに長期の休暇を観光するわけでもなく、ただ家族でのんびりと過ごすってことは余りないように思う。こんな過ごし方もいいなあ🤗ちょっと羨ましい。
サムは島で出会った12歳の少女テスと仲良くなって、テスのパパ(パパは娘の存在すら知らずに島にバカンスに来ている)との対面に協力する。そんなテスとの淡い恋物語も微笑ましい。
島で出会ったちょっと怖い一人暮らしの老人。お爺さんの部屋にあった若い頃の奥さんとの写真。奥さんは既に他界していて、サムは「1人になって寂しくなかった?」と聞く。お爺さんのは「頭の中に思い出がいっぱいある。人はお金を貯める人もいる。切手を集める人もいる。思い出をたくさん集めるんだ、手遅れになる前に」
お爺さん、いいこと言いますね〜😉少年の心にスコーンとこの言葉が入りましたよ❗️1週間のバカンスを終えて帰る船の中でサムは思う。もう1人になる訓練はしない。新しい思い出をいっぱい作るんだ‼️
なんかとても爽やかで、まだまだ明るい未来はあるなぁなんて思える映画だった。子供達にこんな映画観て欲しいな🥰
独りの訓練
将来家族も親戚も大事な人も居なくなって、独りになってしまったときに
悲しみを抱えて辛い思いや寂しさを抱えて過ごさないように
思い出を沢山作って、幸せな時間を沢山作って
辛くなったり、寂しくなったときは思い出して
人生のほとんどは今あなたの中にある
一人になる訓練をし過ぎた人〜 🤚🏼≺ハイ!
最近、就寝時や寝起き時に、
「なんでこの世に生まれて来たのだろう🤔?
何をしたくて生まれて来たのだろう🤨?
何故こんなに自分は無能なん・・・😔」
などと取り止めのない事につらつらと思いを馳せる事が多く、この作品も「考えてもどーしよーもない事」に何かプチ哲学的なアプローチを試みる内容なのかと勝手に期待を寄せて観に行きました。
主人公の少年の感じる不安は、幼少期あるあるで懐かしく共感するところで、そんな彼がある女の子と出会い、最初は、おっ! 逆ナン、いいじゃん! と羨ましくお話が進みますが、メインのお話は、母子家庭育ちでBTTFのドクみたいな顔立ちのちょっと小難しいヒロインの子が、ある計画のために周りを振り回しに振り回す展開に終始し、私としては恐竜的な時空を超える壮大さも浅い哲学的欲求も満たされなかったので、ただ邦題の肩透かし感が残りました。
子供の頃の甘酸っぱい思ひ出 というより < 面倒くさい女の子 という印象が先立ってしまいましたし、そもそもの事の発端は♂が避妊せずテキトーにコトを致したから。
最後のパーティーでわりとボッチ気味だった恐竜代わり?のお爺さんの‘思い出’メッセージがこの映画の肝か?
恐竜の声を探して
自分も主人公と同じ勘違いをしていました。
なので、騙されたぁ〜って楽しくなりました。
1人になることしか考えてなかった主人公がみんなと楽しむことを大事にするように成長して行く物語。
stay homeを終えて第1段の映画。
幸せな映画でした。
楽しくも大人だからこそ、胸にキュンと来る良質な作品です。
昨今のコロナの影響で平日のレイトショーは規制、週末の映画館は軒並み休館と観る機会と作品数がかなり限られる中、以前から気にはなっていた作品で観賞可能だったので観賞しました。
で、感想はと言うと、良いっスね♪
良質なボーイ・ミーツ・ガールな作品。
ファンタスティコ!
子供が思う素朴な疑問は真理であり、それを哲学や文学の香りを漂わせつつも小難しくせず、一夏の淡い思い出の様な青春作品に仕上げてます。
タイトルにもなってる恐竜は全く出てきませんがw、児童文学らしいタイトル。
加えて、本来ならデリケートかつ重くなりがちな事を子供目線で純粋かつ正面からストレートに取り組んでいるのが心地好い。
「スタンド・バイ・ミー」の様な感じもするし、なんとなく個人的には今から30年近く前作品でジョディ・フォスター主演の「君がいた夏」を思い出しました。
主人公のトムがいろんな事を知識として蓄えながらも、素朴に疑問として思う事が清々しい。
変と言えば変だけど、分かってないのに分かった様に振る舞う頭でっかちな大人には無い素直さが良いんですよね。
ヒロインのテスはちょっとこしゃくれて、おませな感じでちょっとワガママ。でも根は良い子。
そんなサムとテスの一夏の物語ですが、出てくる人物達も良い奴ばっかり。それがまた良いんですよね。
少しくらい悪い奴がいて、嫌な事件が起こる事で起伏が生まれて、物語が進展すると言う事もあるけど、それをやらないのも良い。
心地好さが染み入ります。
個人的には海辺の近くに一人で暮らしているヒレが良いアクセントになってます。
家族との夏の旅行先で出会ったに起こった、たった1週間の出来事ですが、サムにはキラキラとしたずっと忘れる事のない体験でこんな素敵な事に出会えるなんてちょっと羨ましい。
少年時代の思い出は尊くも淡く甘酸っぱい感じですが、それをスクリーンを通して感じさせてくれます。
子供が観てもとても良い作品かと思いますが、大人だからこそ、胸に来る物があるんではないかとも思います。
良質のお茶をゆっくりと時間をかけて飲み、その一時を楽しむ様な作品です。
コロナの影響で観る機会が少ないのが残念ですが、機会がありましたら是非♪
思い出の数だけ人は大きくなる
とてもハートフルな作品だった。児童文学作品なだけあって子供から大人まで幅広い年齢の人の心を掴む作品ではないかと感じた。
主人公の少年サムは家族とバカンスでオランダの島で過ごす事になった。
そこでサムは島に住むテスに恋をする。テスは生き別れた父を、自分の存在を隠し島に迎える。そこでテスは父との関係修復の為に動き出す。サムもまた彼女のために協力する。
サムもテスも家庭環境は違えど日頃は人との関わりから離れて孤立した生活を送っていた。
その事もあってか中々テスと父との修復にうまくいかない。深く関わろうと積極的に働きかければ返って自分が傷ついてしまう結果となってしまう。
サムもテスも一人で過ごす事こそが幸せなんだと諦めかけた時サムは海で命を落とす事故に遭遇しかけるも、島に住む老人に助けて貰う。
そしてサムは彼から大切な思い出こそ一生の幸せなんだと学ぶ。
最後はテスも父との関係が修復し、サムもまた家族との愛を理解し、みんなの思い出が一つとなる形で終わった。
シンプルな描写が続くがシンプルだからこそ見やすく心打たれる作品は過去にたくさんある。この作品もまたそのような作品の一つだったと思う。
現代社会は便利が故に人と関わりがなく孤立した生活を送っていても欲求を満たされることは大いにあると思う。
誰もが人との関わりは幸せな事だと分かっていても誤った人や誤った関わり方をすれば相手を傷つけ、それ以上に自分が傷つく事もある。
またこの先、形とならない関係は無駄と決め付け関わりを絶ってしまう選択をする事もあるのではないか。
この作品を見ていると、傷つくことを恐れて幸福を逃すのはとても不幸な事なんだ。
たとえこの先、交じり合う相手じゃなかったにしても、その時の思い出は頭に、心に一生残り人を大きくしてくれる大切なアイテムなんだと改めて感じさせてくれる。
サムもテスも父との関係を修復した事によって大きく成長し、一生の思い出となりこれからの彼らの人生を豊かにする一つの要素となったに違いない。
同時にもしも彼らが最後テスの父との関係修復から逃げた選択をすれば、逆にこれからの彼らの人生のトラウマとなり、大事な選択を迫られた際に臆病となり貧しい人生を送る悪い要素になりかねていたかもしれない。
一つの出来事が選択によって真逆の結果になりかねない。だからこそ失敗を恐れるのではなく幸せを掴みにいくことが大切なんだと強いメッセージを受け取ることができた。
自分に置き換えても孤独を感じる事はまだそこまで多くはないが、年々人との交友関係は狭くなってはいる。
そこにはなるべく有益な、そしてこの先形に残る相手としか関わろうとしなくなってきてるのであろう。
上にも書いた通り目先の事に捉われず、今を、そして一瞬一瞬を大切にし、沢山の大切な思い出を残す事が人を成長させてくれるんだと。その思い出の数だけ人は大きくなっていくんだ。そんな事を感じながら温かい気持ちで劇場を後にする事ができた。
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