ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語のレビュー・感想・評価
全360件中、281~300件目を表示
自立と結婚と幸福と
原作未読、映画では若草物語既知。
南北戦争下のアメリカはマサチューセッツで、青春時代を過ごした賑やか仲良し4人姉妹の物語。
話自体は今更ながら、当時の少し恵まれた家庭環境で育った、作家志望の大人になったばかりの女の子が、7年前の少女時代を振り替えるストーリー。
「如何にも」ではあるけれど、賑やか朗らか仲良し姉妹の、恋愛に嫉妬に好奇心が瑞々し過ぎて眩しくて、爽やかな気持ちにしてくれる。
そんな中で起きるちょっとしたいざこざや、悲哀すら、清々しくて優しくて、そしてほんのり寂しいのに力強く、とても明るい気持ちにさせてくれるドラマだった。
花冠は!!!w
懸命に生きるその日常は物語
新作に飢えてるので観賞
若草物語は古典なりに知ってる程度で
ハウス名作劇場のアニメが印象深かったです
感想としては
魅力的なキャストで活き活きと描かれ
新鮮に感じることが出来ました
中流家庭の4人姉妹
おしとやかな長女で華やかな生活と結婚を夢見るメグ(エマ・ワトソン)
男勝りながら妙に器用で女性ながら自立した生活を夢見るジョー(シアーシャ・ローナン)
病弱で病魔に冒されるも優しく音楽が好きなベス(エリザ・スカンレン)
絵画の才能があり社交界を夢見るエイミー(フローレンス・ピュー )
らとその回りの人々との出来事を回想を行ったり来たりしながら
綴られていくストーリー
特に隣人のイケメンであるローリーとの交流が四姉妹の将来と
運命に関わってきます
夢見る少女だった4人は結局
メグは結婚は果たすも苦しい生活から抜け出せず
ジョーはニューヨークで物書きを目指すもなかなか評価されず
ベスは病魔に冒され実家から離れられず
エイミーは叔母についてヨーロッパに渡るも自分の本心を見いだせず
それぞれ成長と共に悩みを抱えたままベスの病状悪化をきっかけに
再び集まります
ローリーはかなりジョーに思いを寄せるも
ジョーは結婚に幸せを見いだせずプロポーズを断ってしまい
ローリーは結局エイミーと結ばれてしまいます
ジョーは自立を目指すもうまく言い表せない孤独を感じますが
ニューヨークの下宿先で知り合ったフレデリックが
実家まで追いかけてきて結ばれます
19世紀の話ながら家族への思いや女性の自立にまつわるエピソードは
きわめて現代でも変わることのない感覚で描写されており
色々な登場人物に移入して観ることができる映画だと思います
そういう意味ではそこまでストーリーに時代性は感じないのですが
美術はさすがアカデミー賞もらうだけある再現度だったと思います
あまり万人にとっつきにくいジャンルかもしれませんが
たびたび映画やアニメになってる古典ですし
一度観るにしてもおすすめできる作品だと思います
劇場で浸りたい良作
世界的に有名な「若草物語」ですが、恥ずかしながら読んだことはなく、四姉妹の物語であるということぐらいしか知りません。そんな状態での鑑賞でしたが、想像よりはるかに楽しめました。
主人公は、有名な作家になることを目ざす次女のジョー。物語は彼女を中心に描かれますが、その周囲の人物も決してただの脇役ではありません。姉妹のメグ、ベス、エイミーはもちろん、両親も、マーチおばさんも、ローリーも、隣人のお金持ちの老人も、作品の中のすべての人々が、実に生き生きと描かれています。そんな周囲の人々との交流が丁寧に描かれるからこそ、ジョーの生き様がさらに色濃く浮かび上がるような印象を受けました。
序盤こそ舞台背景や人物関係がつかめず、少々まごつきましたが、何度も何度もインサートされる回想シーンのおかげで、いろいろなことが明らかになってきます。これが、静かに降り積もる雪のように重層的に物語に奥行きを与えていく感じで、実に心地よかったです。おかげですっかり世界観に浸り、何度も微笑んで、何度も泣いて、何度も幸せな気分になりました。
作品としては、四姉妹がそれぞれの夢を抱き、現実と直面して悩み、自分の生き方を模索する姿を通して、自立して生きることの難しい時代の女性の生き方を描いているのかもしれません。しかし、それ以上に、家族とともにある幸せ、人との絆の大切さを堪能し、心温まるひと時を過ごすことができました。素敵な作品に出会えたことに心から感謝です。
Write something for me. 不朽の名作って面白い!
恥ずかしながら今まで「若草物語」のタイトルは知っていても内容は全く知りませんでした。だって1868年のアメリカの小説ってハードル高そうですし・・・という訳でまっさらな気持ちで観た本作。いやいや、面白かったです。
内容を知らないだけあって、エイミーがローリーと結ばれるんだ!っとか、お父さん生きてたんだっとか、ベスが亡くなったりとか、ジョーが駅にフレッツを追いかけていって結ばれるシーンとかホント一喜一憂でした。
ベスは最初から死亡フラグな感じはありましたが、それでも亡くなったのは悲しかったです。何だかんだで4姉妹は死んだりしないと勝手に思ってたので。仲良かったおじいちゃんミスター・ローレンスがベスがいない家に入れないシーンは泣けてきます。家族を亡くした時に感じる喪失感というか、隣の部屋とかにいそうなのに実際はもういない時に感じるあの気持ちを経験された事がある方なら誰でも共感できるのではないでしょうか?(って、例えが分かりにくくてスミマセン😣)。
本作って「今」と「過去」が絡まってストーリーが進んで行くんですよね。でも「過去」があった後すぐに「今」の描写がくるんで分かりやすかったですね。で、シーン毎に過去と今を重ね合わせてあるという。こういう編集ってけっこう珍しいかも。グレタ・ガーウィグ監督のセンスが光ってます。
俳優陣は鉄壁でした。シアーシャ・ローナンを筆頭にフローレンス・ピュー、エマ・ワトソン、ティモシー・シャラメの若手、そして別の作品ですがアカデミー賞のローラ・ダーンと今が旬の俳優が揃っています。大御所メリル・ストリープが脇を固めてますし、ベス役のエリザ・スカンレンも今後が期待ですね。
今みたいにネットがあったりしないんで家族の一体感は当時の方が強かったようにも思えますが、人の悩みは世代を超えても変わらないものですよね。百年を超えて語り継がれる物語と今の映画作りが見事にマッチした名作だったと思います。
ひさしぶりの映画館、待ちに待ったこの作品を!
大人になった4姉妹の今に、過去の回想が混じりながら、ストーリーは展開していく
ただ単に原作を実写化していないところが、新鮮でもあり、そして、4姉妹がとても生き生きと存在していて、昔の話を観ている感じがしなかったのもよかった
監督、脚本を手掛けたグレタガーウィグが、原作の時代や原作者を調べたと読んだけれど、確かに物語に新たな命を吹き込むような、今を生きる女性にも通じるストーリーを見事に作り上げたと思う
子供の頃の私は、ジョーが一番大好きだった
でも、その頃の私は幼すぎて、4姉妹の時代の女性の生きにくさを知らなかったし、あの頃の日本もまだまだ「女性の幸せは・・・」で語られる時代だったように思う
だから、気づいていないことがたくさんあった
大人になって見てみると、この物語の中に込められたいろいろなことに気づかされた
そして、決してたやすい生き方ではないのに、あの時代の中で、出来る限り自分らしく生きようとしたジョーが、やはり大好きだ。と思った
きっとそれは不器用な生き方なのだろうけれど
予告編にも入っているジョーの台詞
「女の幸せが結婚だけなんておかしい。そんなの絶対間違ってる!でも・・・どうしようもなく孤独なの」
(原語で見ると少し違うし、前の文章もありきだけど
Women have minds and they have souls as well as just hearts. They’ve got ambition and they’ve got talent as well as just beauty. I am so sick of people saying that love is just all a woman is fit for. I’m so sick of it! But—I am so lonely.)
今のように結婚も仕事も、なんて選ぶことも出来ない時代の女性であるジョーには、感じている違和感がイコール結婚を否定することになってしまうのだろう
けれど、今ならそうじゃないとは、正直思えない
素敵な家族物語と愛を知る物語
贅沢キャスト陣の本領発揮
涙腺が弱くなったことを改めて再認識させられる今回の作品は、出演者のやることなすこと、もうダム決壊の繰り返しである。こんなにも涙脆くなってしまった衰えを否応なしに受け止めざるを得ない、それ程感動的な作品だ。
三女と結婚した後の急速なフェイドアウトっぷりのティモシー・シャラメが唯一の気に掛かる点であるが、四人姉妹役の将来のハリウッドを背負う若き女優陣の演技の集大成を見せてくれたこと、そのこと自体、有難いことである。
感動、ありがとう。
ラストの製本過程が好き
独身のまま終わるハッピーエンドの小説なんてあるか?という編集長の問いに、心の中で「アルプスの少女ハイジ」と叫びたくなったが、調べてみると、若草物語の方が先に発表されたみたいです。南北戦争時代、オルコットの自伝的小説が原作となっているのですが、まだまだ封建的な時代に女性の自立というテーマを盛り込んだ秀作です。
時系列をかなりバラバラにしてあるのですが、次女ジョーが髪を切ることを知っていれば理解できる範囲です。幼少期の無邪気な四姉妹のシーンがほとんどないので、それぞれの性格や趣味が確立されてからなのでわかりやすいとも言えます。
慈善活動や相反する社交界ダンス、そして父親不在の家庭をだれが支えるのかといった考え方も絶妙に描かれ、金のために結婚することへの問題提起など、女性目線で瑞々しく映し出されていました。
とにかく美しい風景(特に海岸)と見事な編集には驚かされたのですが、もう少しつっこんで女性の地位向上、婦人参政権の問題なども時間的には取り入れることができたと思います。ちなみに一番好きなキャラは長女メグ(エマ・ワトソン)!ジョーにしろエイミーにしろ、結婚してもケンカが絶えそうもない気がする・・・
シアーシャ・ローナン
物語を書くのに夢中で短気なおてんば娘は女の幸せは結婚であるという考えにうんざりしていた。結婚相手が貧困層であったために生活が回らなくなっていく姉、芸術家を目指すも才能が頭打ちとなり結婚を急ぐ妹。数年前まで彼女たちは共に生活をする家族だった。若くもたくましい4人の女性は悩みながらも進むべき道を探していく。ありふれた日常の中にときめきがあり、怒りがあり、後悔がある。過去の何気ない言動が胸を締め付ける。けれどそんな青春時代が支えとなって今の自分を生かす。シアーシャはそんな主人公の心の変化を見事に演技で表現した。短気で早口で、こうと決めたら周りが見えなくなる主人公の性格はそのままに、見え隠れする心を揺れる青い目、息遣い、乱れる髪でオーディエンスに届けた。時代は違えど現代の女性も同じ考えを持つ人は少なくないだろう。結婚が女の幸せであると誰が決めたの。女は夢を持ってはいけないと誰が決めたの。独りで生きることが哀れなんて誰が決めたの。そんな考えにはもうんざり、疲れた。でも、自分を取り巻く人々はいつの間にか周りに居なくなっている。それがとてつもなく寂しい。シアーシャ演じる主人公は青い目を真っ赤に腫らす。1868年に出版された若草物語は2020年の今にも十分に精通する女性の人生の物語だった。
尊すぎるわこの映画…
恥ずかしながら原作未読だけど、原作読者も4姉妹をこのキャスティングで想像してた人いないんじゃないだろうか。
姉妹が戯れる画だけみても西洋絵画をみてるような尊さ…そこにティモシーシャラメがスクリーンで見たことないようなおちゃらけ演技で出てくるともう尊すぎて頭クラクラしてくる…
「女性が幸せになるための結婚」を否定しながらも、「愛する人から愛され、一緒に暮らす幸せ」を肯定する尊さ。
自分の感情にも他人の感情にも嘘を付かない一方、「怒りに支配されてはダメだ」との教えにハッとする純心さを持つ少女の尊さ。
裕福であることが決して幸せとは限らない、としつつも、経済の格差が生死の格差にも直結していることをストレートに描いてしまう尊さ。
人の文化的表現的活動が、他人の心を動かすだけでなく、自分自身の癒しと成長にもなることを示す尊さ。
顔の造形以外にもいろんな尊さが味わえる尊い映画です。
愛に溢れる家族の物語
堪能した。
川崎の街は、すっかり人出が増えたが、映画館内は、間引きもあり、相変わらず快適だ。
作品は、若草物語の作者の家族を題材にした、女性の自立を語る物語。今の時代にあってるんだなあ、とアカデミー候補だったのも納得だ。
こういう、少し時代が前の映画というのは、衣装やセットに力が入っていて、見甲斐がある。本作も、その点も楽しい。
四姉妹が、それぞれの道を自分で切り開いていくこと、挫折や妥協も含めたそれらが、観ているこちらに、すんなり届くことが、この映画の一番素敵なところじゃないだろうか。何をなすか、よりも一緒懸命生きることが大切と、すっきり思えました。
その中での、恋愛。「結婚は重要な経済問題」と皆が理解している中で、愛があるからいいやと、愛のために何かを諦めるとか妥協するところもなく、自分には心地よい話でした。
生き方のチョイス…
久々に、これぞ
ドストライクアメリカ映画!笑
という作品でした。
若草物語実写版といえばいいでしょうか。
南北戦争最中の家族の話。
父親が戦地へ赴き、いない中、
4人の姉妹の成長を描きます。
ジョーラビットでもそうでしたが、
お母さんが素晴らしい。
お母さんが聡明だと、子供も健全に
育つ証のような映画です。
家族という強い絆で
結ばれているけれど、
決してお互い依存していない。
お母さんを筆頭に4人の姉妹も
それぞれの立場で、精神的にきちんと
自立している。
打ちのめされているジョーが
寂しくてたまらない、
誰かに愛されたいのと涙ながらに
お母さんに訴えた時、
母がギュッと抱きしめる…
ですが、違います。
それは愛ではないわね、と
優しく厳しく諭します。
愛は出かけて行くもので、返って
くるものではないんだと…
見返りを求めるのは愛ではないことを
きちんと伝えられるお母さんに
育てられたからこそ、4人がしっかり
自分の人生を歩めたのではないでしょうか。
女性が社会進出が、
本当に難しかった事が伝わります。
唯一社会に飛び出したのはジョー
だけだったけれど、お姉ちゃんも
妹達の生き方も、自分の思いを
大切に、自立し、きちんと選択している姿に
感銘を受けました。
毎日色々あるけれど、
自分で自分を楽しめる人生で
なければならないと気付かせてくれる
こういった映画との出会いに感謝します。
彼女達のような生き方が
できているだろうかと帰りの車中で
苦笑いでしたが…^^;
ぼーっと観てたらアカンやつ
正統派すぎた
美人四姉妹のキャッキャウフフを愛でる映画
…のわけない。いや7年前パートではそういうところも少しはあるけれど、子供時代の楽しい思い出と大人になって立ち塞がる厳しい現実を対比させている…ようにも前半は見えたが、そんな単純な話でもない。
撮り方として、同じようなアングルで通りを逆方向に歩かせたりとか、ジョーが目を覚ますとベッドに誰もいない…とか、そういうの好き。
ただこの作りだと、ジョーが書いた話としてのエンディングと、映画の中での実際のジョーの行動は違うのかもしれないし、
そもそも出版社と交渉する場面以降本の製作を見るシアーシャは、ジョーではないのではとか。
いろいろ考えてしまった。
それとエイミーが花輪かぶったら、祝祭が始まっちゃうアワワワワ。
5/6までは名作、残りの1/6は凡作
①トーキーになってから確か4回目の映画化。原作(特に第一作目)が名作なので余程下手を打たない限り(下手な演出、脚色、演技)そこそこの映画になる題材だが、今回は半ば過ぎまでは現代の名作誕生か!と感心した。子供の頃に読んだ『若草物語』を思い出して「そうそうこんなエピソードもあった。この名場面もちゃんと織り込んでいる」と泣かせてくれたが、残念ながら最後は失速してしまった。何故だろう。②『続・若草物語』を現在進行中の話にして、『若草物語』を回想シーンにしている構成は悪くない。特に回想シーンはどれも良くできていると思う。③ローリーと結婚してからのエイミーがどや顔になったのが悪いのか。確かに後半はフローレンス・ピューがシアーシャ・ローアンを喰い気味でそれでバランスが悪くなったのかも知れない。④ヒロインが最後に結婚するか死なないと本が売れない、という原作が書かれた当時の時代相を皮肉ってジョーが結末を書き換えたという視点は面白いが、それが映画的に上手く処理されたとは言えない。⑤最後の学校のシーンは取って付けたような印象。突然平凡なファミリードラマの大団円みたいになってしまった。⑥上映時間145分は長過ぎ。映画が息切れしてしまったか、観ているこちらが飽きてしまったか。⑦ティモシー・シャラメはあの美貌には不釣り合いなくらいやはり上手い。あまり好きじゃないし、何処にでも顔を出すメリル・ストリープはさすがに老けたが、映画の重石には確かになっている。⑧名作になる一歩手前で転けてしまって残念だが、子供時代を思い出させてくれたので☆ひとつオマケ。
全360件中、281~300件目を表示