劇場公開日 2020年6月12日

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「原作ありなのに完全にグレタ監督&ローナンの世界になってるのがすごい」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作ありなのに完全にグレタ監督&ローナンの世界になってるのがすごい

2020年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

期待通りの良作!

『レディ・バード』と同じ監督&主演。
痛々しい少女/女性という作品の魅力は通じるモノがあります。
今作はよりアイデンティティに踏み込んでるかな?
原作ありなのに完全にグレタ監督&ローナンの世界になってるのがすごい。

若いゆえの未熟さと暴走。
誰もが正解ではない。同時に間違ってもいない。
女性だからこその絶妙な青酸っぱさ。
”少女時代が終わっちゃう”って台詞が印象に残ってます。

四姉妹はギャン騒ぎだし、新キャラが次々と出てくる。
さらに時系列もちょいトリッキーで冒頭1/3くらいは脳フル回転で楽しむ余裕なかったかも。

でも中盤で一旦整理できて四姉妹に愛着湧いたらめっちゃ楽しい。
そして終盤1/3の怒涛の展開!

少女マンガ的というのだろうか。
ここまで”女の子が主役”って作品を久しぶりに見た気がします。

終盤の”こんなの辛すぎるよ”って展開にはヒィー!って叫びそうになりました。
予告編のミスリード(?)も上手いなぁ。

シアーシャ・ローナンは主演女優賞も大納得の名演。
素の顔立ちからしてオーラがある。ひと目で普通と違うキャラってのがわかる。
そのうえ演技も素晴らしいとか~。

エイミー役のフローレンス・ピューも素晴らしい。
特徴的な顔と声がエイミーのキャラにあってた。お転婆な少女時代のリアクションがいちいち面白い笑

ベスも良い意味で地味。そして密かに力強い空気が素敵だった。

エマ・ワトソンが長女役ってのが驚き。それでいてしっくりきてた。ハーマイオニーが大きくなったなぁ;;

四姉妹はほんと素晴らしいキャスティングだった。

母役のローラ・ダーンは『マリッジ・ストーリー』の弁護士役を思い出して最初はビクビクしました;軽くトラウマらしいです笑
真反対の役を見事に演じて最終的には弁護士の姿は一切頭から消えてました。素晴らしい。

ストーリーは名著の原作なのでもちろん良い。
すばらしいキャストがすばらしい演技をする。
監督のらしさをしっかりと取り入れた作風。
と見事にリアレンジした良作でありました。

kizkiz