「鮮やか」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 テツさんの映画レビュー(感想・評価)
鮮やか
あーなかなか良い映画でしたなぁ
そして、何だろ良い映画だったという感想で文章を書き表すのが難しい笑
原作未読かつ若草物語に触れるのがはじめましての感想です。あくまでもこの作品の感想です
そしてもう冒頭からネタバレします宣言します(笑)
4姉妹の中の次女:ジョーを通して姉妹が生きてきた軌跡と変わり行く時代と心の様を描く
四姉妹それぞれが過去に抱いていた理想と現実-男性優遇な社会、女性の仕事での経済問題、各々が抱く夢や希望、お金、恋愛、結婚、家族、孤独 …様々な物事を通して、時に迷いながら移りゆく時と世界を生きていく人間賛歌といったところか
冒頭、出版社の入口に立つ1人の女性の後ろ姿。今まさに新たな扉を開けようとしている彼女の後ろ姿を自然と後押ししたくなるような物語のスタートだ。
彼女達がそれぞれ一人一人がそれぞれの立場で現実に向き合う場面から昔、家族が揃って楽しげに過ごす場面やジョーが1人で寒々しい街を歩く場面に対し、姉妹が揃って明るく賑やかな街を歩く姿など数え切れないほど対比が効いた場面が散りばめられているのが面白い
特に後半のある悲劇的な展開でもピリリと使われている
暗い辛い現代と平和で明るい過去との画面色の対比の演出は視覚的にも効果的でジョーを演じるシアーシャローナンの、時に快活で、時に脆く切ない名演は心を掴むし、物語を彩るセットや衣装、醸し出される時代の雰囲気の作り込みも見事
また、ローラ・ダーンやメリル・ストリープといった大人の女性たちの佇まいも格別であり、メグ、ベス、エイミーの四姉妹それぞれの時に微笑ましく時に切ない関係と変化していく中で生きていく様も自然体で感じることが出来たのも素晴らしい
辛くのし掛かる現実と変わり行く周囲の環境、自分の想い…暖かくて愛おしいあの頃には戻れないけど、それを胸に歩み出さなくては‥ジョーが自らを元に書いたあの小説は、愛おしい過去という宝物を自らの表現として残すと共に、その過去を大切にしつつ新たな未来へと歩みを進める"少女時代との別れ"その決断の証だったのかなとも思いました。
冒頭の小説を持ち込んだ際の彼女と終盤での小説の権利を巡る彼女というのも見事な対になっており、彼女が自らの道を切り開いたことを表しているし、叔母の家を学校として開いた彼女と家族が集まる場面は彼女たち家族の愛を感じさせそれぞれの幸せと家族愛を想わせるのも心地よいと感じました。
正直、上手く纏められないのですが(後々書き換えるかもです)あまりこの手の作品を見てこなかった私でも良い映画だなと素直に感じたのでオススメです!
この作品をもう一度見たり、過去の映像作品も見てみようかな