劇場公開日 2020年6月12日

  • 予告編を見る

「若草物語知らない人には苦手」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5若草物語知らない人には苦手

2020年6月18日
Androidアプリから投稿

劇場が再開されたので、アカデミー賞にノミネートされたグレタ・ガーウィグ監督の「若草物語」を観たのですが…。

ごめんなさい、嫌いでは無いのですが個人的にはそこまではまりませんでした。
恐らく、「若草物語」に今まで一度も触れたことが無いからかも知れません。

決して悪くは無いです。
まずは好きだった点から書こうと思います。

主要人物の四姉妹の絆が観ていて凄く微笑ましいです。
南北戦争で不安な世の中を健気に仲良く暮らしていく姿が劇中で何度も映し出されるので、四姉妹の間に凄く絆を感じさせられます。

そこの部分に功を奏したのが、キャスト陣の演技です。
主演のシアーシャ・ローナンをはじめ、長女のエマ・ワトソンや三女のフローレンス・ピュー等の演技が本当に素晴らしい!
現場でもかなり仲良かったのか、それが本編で凄くよく出ていました。
登場人物としてはエマ・ワトソン演じる長女が一番好きでした。
夢を見ながらも自分の気持ちに正直に向き合ってる姿がとても良かったです。

ティモシー・シャラメも良かったです。
次女と三女の両方から好意を寄せられており、二人との関係に葛藤している様を見事に熱演していました。
しかし、彼は男の自分から見てもくっそイケメンだよなぁ(笑)

衣装や撮影のセットもなかなか良かったです。
女性達の服装にかなり拘っていたので、アカデミー賞で衣装賞を獲得しているのが大いに納得です。

ただこれだけ素晴らしい要素がありながら、肝心の主人公が全然好きになれませんでした…。

この映画を高く評価している方達は全員主人公の性格が「リアル」だと受け入れられたのかも知れませんが、個人的には主人公がワガママで優柔不断にしか感じませんでした。
作家という厳しい世界を目指しているにも関わらず、ダメ出しをされると不機嫌になって文句ばかり言ったりするし、「結婚はしたくない」と言っておきながら恋愛はしてるのですが、そもそも何故主人公が結婚したくなかったのかが曖昧なので何がしたいか解りませんでした。
7年後のあの男との決断も、「今さら遅いわ!」となりました(^_^;)
主人公の事が好きになれない事を考えると、自分はまだ女子の感情を理解出来てないのかと落ち込んでしまいました...

あと、この映画には「女性の社会進出」や「女性の自由」といった現代社会に通じるテーマが盛り込まれていましたが、そのメッセージ性は全然悪くないと思います。
ただ、その社会的な主張の入れ方が強引過ぎます!
登場人物との会話等にその説明が入ったりするのですが、主張を入れることばかり考えているからか会話が自然に感じずに押し付けがましさが出てしまっています。
いちいち詳しく説明しなくても、映画観てれば何となく伝わるので、そんな押し付けがましく入れる必要は無いと思うんです。

あと、ラストの場面がかなり臭くて劇場で自分だけ思わず失笑してしまいました(^_^;)
何せ、その男は冒頭と終盤しか登場しないので「おめでとう!」という気持ちに素直になれないよ!

また、時系列が7年前と現在を交互に描かれるのでたまにアヤフヤになってしまいます。
恐らく、「若草物語」を知ってる人であればそこまでアヤフヤにならなかったのかもしれませんが、個人的には登場人物の髪型や衣装に変化を付けて解りやすくしてほしかったです。

まぁ、恐らく自分は少数派かも知れません。
とりあえず、自分はまだまだ女性への理解が足りてなかったとして考えておきます。
今のところ、今年のアカデミー賞ノミネート作品の中で一番好きじゃない作品でした。

さうすぽー。