「傑作。」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作。
自粛が明けて、延期されていた公開もようやく再開。
この先どうなるか分からないが、コロナ対策で1席ごと開けて座るこの体制で映画館が利益を出すために、やっぱり話題作や超大作の上映回数を増やすことになるのかな。
そうなると地味だけど傑作…ていう作品は、これまで以上に上映の機会を奪われてしまうのかな。
どう考えても映画・映画館ビジネスは苦境に立たされる。
「映画ファン」「映画館ファン」の私としては、気合入れて劇場へ足を運ばねばならない、とあらためて思いを新たにし、「映画館応援チケット」的な前売り券を随分と購入した。
それはそれとして…
あの「若草物語」を、現代的な解釈を織り込んでリメイクしたこの作品。
私は昔アニメで放映していた「愛の若草物語」が好きだったので、家族構成や性格くらいは承知していたが、本作も重要な人物名が比較的多いので、未見の方はざっくりと予備知識はあった方がいいかも。
で、内容だが、率直に言って「傑作」だと思う。
主人公とその家族がそれぞれに持つ「自分なりの幸せ」に向かって、時には助け合い、時には対立しながらも進んでいく。
「何が本当の幸せなのか」
そんな押し付けは全く無い。
優しくて、切なくて、暖かくて、ほろ苦い。
キャラクター全員がとても魅力的で、観客として最初は登場人物誰か一人に感情移入していたのに、観ているうちに全員のことが心配になってくる。
ただ私には、あまりに教科書みたいに善良でよくできた物語だけに、もうちょっとひねくれた作品のほうが好き…ということで★は4つとさせて頂いた。