劇場公開日 2020年7月24日

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「豊穣で奥深いプラドの魅力を90分で伝える“PV”と割り切るのが吉」プラド美術館 驚異のコレクション 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5豊穣で奥深いプラドの魅力を90分で伝える“PV”と割り切るのが吉

2020年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

萌える

ルーブルやメトロポリタンに比べ宣伝下手のせいで知名度はやや劣るという、スペインのプラド。だが同国を代表するベラスケスとゴヤ、ギリシャから移住したエル・グレコという3大巨匠の作をはじめ、歴代スペイン王室が買い集めた約8700点を収蔵し、世界3大美術館とか4大~と称される。その魅力を92分で伝えるのだから、個々のコレクションをじっくり鑑賞するのはさすがに厳しい。

昨年の開館200周年に企画されたというから、長尺のプロモビデオと割り切るのが吉。音楽PVがアーティストを敢えてたっぷり見せず、細かいカットで飢餓感を煽るのと同様、本作も絵の全体を見せたら次のカット、部分に寄ったと思ったら次のカットとせわしない。字幕版で観たが、吹替版の方が映像に集中できてベターだろう(ジェレミー・アイアンズは良い声だが)。

紹介された中ではボスの「快楽の園」の奇妙さが特に興味深かった。美術本などでじっくり観たい。

高森 郁哉