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バトルフィールド クルーティの戦いのレビュー・感想・評価
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本作の製作意図と目的とは
映画としての作劇や構成は正直良くありません
カタルシスも無いです
知らない役者ばかりです
それでも今こそ観なければならない映画です
なので断固星5つです
劇中の都市名は今回の戦争の僅か1年前の2019年の映画なので、キエフ、ハリコフ、オデッサのままです
キーウ、ハリキウ、オデーサ
今はこう呼び方が変わったのは、ご存知のとおり
キリル文字で書いてあっても、キーウと今では読めてしまうほどに私達はウクライナのことをよく知るようになりました
しかし2022年の今の戦争と同じことが100年前にもロシアのウクライナ侵略があったことは知らない人が殆どでしょう
自分も初めて知りました
それゆえに今こそ観なければならない映画なのです
冒頭とラストは本作の公開の1年前の2018年の現代です
もちろんウクライナで製作された映画ですから、今現在戦いが行われているのと同じ光景が画面のなかにあるのです
雪原の中での塹壕戦はテレビで視たそのままの光景なのです
内容は1918年、つまり丁度100年前にあったウクライナ・ソビエト戦争でのクルーティ駅近郊での戦いを扱っています
ソビエトとは1917年にロシアが共産主義革命によって国名を変えたもの
つまるところロシアです
共産主義であろうと無かろうと、ロシアは帝国主義的な侵略国家であったのです
本作が製作された理由は、もちろんその戦いから100周年だからでしょう
しかしそれよりも2014年のロシアによるクリミヤ半島の併合を経験したからこそが動機であると思います
100年前のようにロシアはまた独立国家のウクライナをまたも侵略しようとしている
その危機感が本作を作らせたのでしょう
ウクライナ国民にロシアの本格的な侵攻に備えよとの警告が本作のテーマなのだと思います
100年前のように全土を占領されロシアに併合されてしまうぞと言うことです
だから2018年の現代のウクライナの軍人がクルーティ戦いの戦跡を訪れ英雄記念碑の下でその記録を見ているのです
手書きのノートを持っているということはきっと主人公の子孫であるのでしょう
そして、ラストに子ども達がクルーティの戦いの事を学んでいるシーンがあるのです
それは現代に生きるウクライナの今の国民すべてがこの戦いの英雄達の子孫であることを思い出せと主張しているのだと思います
そして次代を担う子ども達にウクライナの独立を引き継いで行かないとならないのだというメッセージだと思います
またそれだけでなく、100年前と同じことが起ころうとしていることを国際社会に広く理解を得ることも本作の大きな目的なのだと思います
このクルーティの戦いは1918年1月29日のことでした
今日は2022年9月29日
ロシアのウクライナ侵攻は7ヵ月が過ぎました
一時はキーウ目前まで迫ったロシア軍の大軍を撃退し、さらに9月には東部や南部のロシア占領地への大反攻作戦を成功させました
まさに本作の製作目的が果たされたのです
殆どすべてのウクライナ国民が本作の学徒兵のように勇敢に戦ったのです
そして国際社会の理解を得て、ロシア軍に優越する高性能な武器弾薬の支援がなされたからです
このロシア軍の大敗北によって、プーチンは追い詰められ、部分的といいながら動員を発令しました
大学生も動員されているようです
しかし本作の劇中の100年前のウクライナの学徒や、現代のウクライナの国民のように、自ら志願して国を守ろうとは、ロシアの国民はしていません
なんとか徴兵を逃れようと国外に脱出しようと国境に車が何時キロもの列を成しているのです
仕方なく徴兵された男達の表情にはまるで戦意が感じられないのです
プーチンはもしかしたらこの戦争に敗北するかもしれないとの恐怖に駆られているように見えます
本作のロシア軍の司令官として登場するミハイル・ムラヴィヨフ大佐を演じる役者がプーチンに似ています
もちろんわざとです
そのような役者を探して配役したのでしょう
本作のラスト前に、ムラヴィヨフは自ら起こした銃撃戦で死亡したとテロップにでます
同じ運命がプーチンにも訪れるような予感がします
独立と自由を守るためには、時として国民が主体となって戦わないとならないのです
なぜなら国民主権だからです
侵略戦争は政府や、独裁者が引き起こしますが、防衛は国民が自ら戦うしかないのです
独立と自由は国民が勝ち取るものだからです
上から与えられるものではないのです
戦争が長引けば犠牲者も被害も増えるばかりだからウクライナは早く降伏すべきと無責任な言動を主張する人は信用ならないのはそれ故にです
降伏すれば独立と自由は失われるのです
遠いウクライナの話ではありません
明日は我が身
日本にも起こり得るかもしれないのです
日本国民は戦争反対と願うだけで、独立と自由と平和を守れるのでしょうか?
戦争ばかり、後は、終末旅行だね。
血を流さすして、自由は勝ち取れない。
今の状況を考えると、ウクライナ人の心情は分かるが、この映画で、ここまで予言してしまうと、今の争いに裏があるのではと勘ぐってしまう。だいたい、大佐が今の大統領にそっくりって言うのが、どう解釈したら良いだろう。ある意味、予測された事なのかなぁ。しかし、
日本に置き換えてみれば、ここでの学生達は特攻兵って事。だから、
映画はウクライナ人のナショナリズムを煽る話でしかない。
しかも、100年も前の話。未だに同じ事をやっている。人類は平和な高度文明は持てないんだね。共産主義は終焉し、資本主義ももうすぐに終焉する。後は、闇だけ。終末旅行だね。ジョン・レノンのイマジンなんて夢のまた夢。
だいたい、自由って何なんだ。そこから、考えないと駄目じゃないかなぁ。僕が今のウクライナの男性だったら、やっばり、逃げる。なんと言われようと、逃げる。そう、自由に向かって。それが、自由への戦いじゃないかなぁ。
ウクライナ人をコザックの子孫と単純にとらえるのは誤りだと思う。確かにこの映画の通りに、ウクライナのコザックとロシアのボルシェビキは対立しているが、それは政治的な対立であって、住民全てがコザックの子孫と言う訳でない。
今のウクライナに住む人々は、ユダヤ人や白ロシア人やポーランド人やロシア人、そして、ウクライナ人の混血と考えた方が間違いない。もし、単純にウクライナ人全てが、コザックの子孫と仮定した場合、彼等は第二次世界大戦中にナチスドイツに加担している。ユダヤ系も多いのだから、全てのウクライナ人が、コザックを許す訳がない。(日本人が全員サムライでないのと同じ)だから、ここでコザックを出すのは、アナクロであり、なにかの意図を感じるのである。
たが
しかし、
兎も角、
ロシアは間違いなく、侵略をしている。
追伸 レナード・バーンスタインもスティーブン・スピルバーグもユダヤ系ウクライナ人の移民。プロコフィエフもユダヤ系ウクライナ人となると、僕はウクライナの人達が大好きと言う事になる。また、ウクライナに良い影響を与えたユダヤの血は、コザックのそれよりも大きいと考える。勿論、ウクライナとロシア、コザックとユダヤの区別なんて付かないが、どちらも、高い芸術を持った民族だと思う。冷静に対処してもらいたい。ジョージ・ガーシュウィンはユダヤ系ロシア人だった。
おまけ
今回の侵略を簡単に解決する方法。
ロシアがNATOに加盟すれば良いのだ。
今こそ見るべきウクライナとロシア(ソ連)との確執
現在(プーチンによる武力侵略)の抗争以前から、ウクライナとロシアとの間には相当な確執のあったことがよくわかる。
1917年、ボルシェヴィキが政権を取ってすぐ、ウクライナにも民族運動が起こり、ウクライナ人民共和国が成立した。しかしそれ以前から赤軍が攻略を図りつある気配が濃厚になってきた時(2021年の動きになんと似ていることか)、ウクライナは自らの防衛軍を組織する。その中には少なくない現役学生もいた。
この戦いの詳細はソ連政府によって隠蔽されており、それが明らかになったのは1991年のこと。現在では「自由世界が共産主義と対立した最初の戦い」と呼ばれている。
プーチンもボルシェヴィキの出身であること、むしろその中心部にいて、骨の髄までボルシェヴィズムに感化・社会化された人物であることを改めて考える。
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