「音響や撮影も確かに凄いが、内容も興味深い」地獄の黙示録 ファイナル・カット その辺の草さんの映画レビュー(感想・評価)
音響や撮影も確かに凄いが、内容も興味深い
音響や撮影は流石アカデミー賞。
特にインパクトを感じたものは以下。
・ヘリコプターの離着陸
・機銃/大砲の射撃
・ナパーム弾一掃
・ベトナム民の踊りのシーン
・シーンに応じて効果的に流れる音楽
ストーリー展開も凄く良くできてる。
アメリカ軍のカーツ大佐が、命令に背き、カンボジアの奥地で自らの王国を築いており、それを暗殺しろとの特殊任務。
危機意識に乏しい部下に護送されながら、主役のウィラード大尉は1人、カーツ大佐の過去を遡る。感慨にふけて、尊敬と同情を示しつつも冷静に分析する。
そして、大佐の領域に潜伏した後もドラマがある。
エリートだった大佐がなぜ狂ったのか?
そもそも狂っているのか?
大尉と大佐は似ている部分もあるのでは?
大尉と大佐が相見えるとき、どうなるのか?
などの興味深い疑問を、主役と一緒に抱えることになる。この疑問が晴れていく様子が、3時間の映画を一瞬で終わらせてくれた。
しかし、この映画を見終わったあと1番に感じたものは、何とも言えない重苦しさだ。
・大佐の言葉に重みがある(うろ覚えだが以下)
「4分の1の数でも、戦闘意識のある精鋭部隊ならば勝利できる」
「理性を伴わない原始的な殺人本能」
「恐怖だ」
・ベトナム民の惨状。惨状とは不釣合いな純粋さ。
・そして、大尉の最後の決断。
大佐に思考を読まれた上での決断を下しているが、理性的だったのか、本能的だったのか?
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