「なんとも俳優の無駄遣い」一度も撃ってません Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
なんとも俳優の無駄遣い
予告で気になったので観賞
感想としては
キャスティングのお祭り映画かなという感じで
テーマも特に深くなく淡泊な作品でした
日中は夫婦でシジミの味噌汁をすすりガウンで
ゴミ出しに行く売れない初老の小説家「市川進」が
夜の街のハードボイルドな世界では「伝説の殺し屋」
の噂と共に「御前零児」となる一面を持っています
元検察も職を追われいわくつきの仕事を請け負う
「ヤメ検」石田からいきつけのバー「Y」で
殺しの依頼を受けますが自分でやるわけでなく
実行は他人に依頼しその詳細を小説にまとめて
出版社に持ち込みますが古くさいと相手にされず
デビュー当初の純文学以来本になったことはありません
ある日依頼主の石田自身が殺し屋に狙われたことで
その殺し屋を特定するよう石田から頼まれた市川
調べるとそのヒットマンの依頼主は石田が依頼する市川を
ヒットマンとして特定しており行動範囲を特定され
それを知った市川は周囲の人間に逃げるよう指示します
しかし旦那の行動を不審に思った妻も絡みややこしい
事態に…
テーマとしては「終わりゆくハードボイルドの世界」という感じ
古くさい物としなくなっていきつつある渋い大人の世界を
ノスタルジーに扱っています
ところがこれがあんまりストーリーの重みに関わってきません
なんで殺しの詳細を小説に書くようになったのか
なぜ熟年になるまで旦那の仕事が妻にバレていないのか
真面目にやっているようでおちゃらけたいのか
映画を観ていて興味の持って行きように困ります
スケール感も小さく舞台のほうが向いていそうな内容ですし
○谷○喜のほうが得意そうなテーマです
マジックアワーがそんな映画だったような…
だからどちらかというとベテラン俳優のアドリブ交えた
演技を楽しむお祭り映画なのかなと解釈してしまいます
故・原田芳雄にゆかりのある監督・俳優さんが結集した
感じからも伺えます
脇役で輝くことの多い石橋蓮司主演も新鮮でした
オトナな画面の雰囲気は悪くないのですが
前述のように中身が伴っていないので
どうしてもコント風に見えてしまう今作
あんまり長くは覚えていなさそうです
キャストの無駄遣い感が強かったです