WAVES ウェイブスのレビュー・感想・評価
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好き嫌い分かれそう
重いテーマを巧みな撮影と色合いを使った心理描写、終いにはスクリーンサイズまで使って表現した素晴らしい作品。
愛情と思い込んでいる歪んだ感情から崩れていく家族の再生の物語。人を赦す事がこんなにも難しく、こんなにも大切な事だと考えさせてくれる。
ただ売りのひとつのプレイリスト映画ってのはどうだろう?歌詞が心情を表すのは良いんだけど、ずっと歌詞のある曲が続くと、少しノイズに感じてしまう。悪くはないけど流行るとちょっと嫌。
これは自分には合わなかった
落ちていく兄を描いた前半、傷つきながらも自分の人生を見つけた妹を描く後半。
不自由のない環境にいて自滅したから共感できんかったのだろうなぁ。それに被害妄想かも知れんが『悪いことをしてはいかんよ』と言われている気もした。後半挽回したとはいえ後味の悪さは否めない。
『プレイリスト・ムービー』なんていうキャッチコピーもどうかな。まあ、確かに人のプレイリストを我慢して聴く感覚はあった。
これはエミリーの物語
前半1時間、ハイスクール生活を満喫していたタイラーに焦点が当たり、突然それは終わる。そしてタイラーの妹、エミリーにスポットライトが当たり、家族のその後が描かれる。
エミリーのボーイフレンド、ルークの父親の話も絡め、両親、タイラー、エミリーの家族が再生へ向けて僅かな光が見え始めた所で、話は終わる。
この映画は、黒人の肌が非常に美しく撮られている。色彩と、光と音楽。多少音楽は過剰気味に感じたが、とにかく画面が美しかった。反面、物語は切なく重く、苦しい。
今を生きる、愛を伝える、家族であり続けることの難しさ。アメリカということで一見派手に見えるけれど、抱える問題の根は同じなのだと思った。
骨太なずっしりした映画
前半3分の2くらいがスター的存在の兄と女神と呼ばれる彼女の話であるのに対して、残り3分の1がその目立たない平凡な妹と兄が犯罪者だと知って彼女に惹かれる同級生、つまり日陰にいる人達の話になっている。悲劇を引き起こしてしまった主人公タイラーは、本当は優等生の良いヤツなのだとして描きたかったのではないかと思うが、まだ十代という年齢を考えれば当然のこととしても、頭が良い割にかなり激情的な性格で、共感はできなかった。父親の厳しさが話のポイントになっているが、その父親も徐々に変化し、親だからといって完璧な人間ではなく、成長途中でもあるのだと言っている。後半の妹パートに出てくる白人のBFルーカス・ヘッジスの存在も意味があり、祖父母の話の時に「母方の」と言ったのは、父親と絶縁関係だったからだった(その父親がハーモニー・コリン)。
大音量の音楽と、場面によって変わるスクリーンサイズ、監督はテレンス・マリックに師事していたのだった。
「家族という他者」と生きていく
「誰が正しい」とも「誰かが間違っている」とも言えないのが『家族』という繋がり…という、至極普遍的なテーマ。
混ざり合う色彩描写や(特にアメリカでは警戒を示す)赤と青の点滅、使われている音楽も、ただノリの良いだけのヒップホップではなく、多層的な構成になっているあたりも、家族というものの多面性を表している様に見える。
その誰もが「家族のために」と思ってとった言動が、結果的には家族を追い込むことにもなりえる。それでも、その時自分が「正しいと思う道」を選び続けなくてはならない。
途中まで、主人公は兄のタイラーだと思っていたら、上映開始から1時間20分ほどかけて描かれるのはあくまでその「前フリ」。
そこからもう一度『家族』というものを、そのそれぞれが手探りで築いていこうとする。
家族という共同体は、その選択を放棄することが許されないからこそ、誰しもがいろいろな軋轢や葛藤を抱えながら生きていくことになる。
どの家族にも、少なからず「不和」があるし、どの家族も何らかの形でそれを乗り越えて暮らしている。
そういった家族の「崩壊」と「再生」の物語。
コレといった派手さも明快なカタルシスもないが、それがむしろ家族のリアルでもある。
(評価の★の数を「オススメ度」としてとらえると、そういう意味ではもうひとつ。)
「ああ。ちゃんと親に会っとこう…」
そう思わされる映画。
寄せては返す音と色彩
プレイリストムービーといわれた本作。
何でもリストを組んで、そこから脚本を作り上げたらしいですね。
だからか楽曲のこだわりは強く感じます。
まぁ音楽ジャンル的には正直好みかというと、決してそうでも無いんです。しかし物語には実にフィットしていました。
特にそれぞれの内面や置かれた状況をとても良く表しており、時にはそれは台詞の代わりにもなっているようでしたね。
そして目まぐるしく回るカメラワーク。
力にあふれ無軌道で何処か危うげ、そんな彼らの世代をよく表していたと思います。
また色彩も鮮やかで美しく、所々に挟まれる波のようなグラデーションも効果的でした。何というか嫌みの無いセンスを感じます。画角変えてくるのもすごかった。
作品は起承転結のようなテンポではなく、大きく前後に切り分けた構成が新鮮で、そのじっくりとした見せ方は後半にとても効いていました。
また楽曲だけでなく、劇伴自体も良かったです。
ただ豪華なアーティスト達が話題になっているので、BGMだけのサントラは出なさそうな気がしますね…残念。
それにしても全編を通して楽曲の使い方は本当に秀逸で、レディオヘッドの入れ方とかこれ以上無いくらいでした。
最後は「Sound & Color」、この作品全てを表しているようでしたね。
そんな素晴らしい楽曲達が散りばめられた作品ですが、個人的に一番印象的だったのはエイミーでした。
歌の内容のマッチングもですが、入れ方とあの切り方。
とても強烈でした。
物語は基本とても重いのですが、後半のゆっくりと夜が明けてくるような感じが少しずつ心を軽くしてくれるんですね。
そうして訪れるラストシーン、時間にして1分程だと思います。たったそれだけの時間ですが、そこで見た虹はそれはとても美しく、気がつくと心が満たされていました。
寄せては返す音と色彩、素晴らしい作品でしたよ。
観る人を選ぶ作品
順風満帆だった日々から破滅に向かっていく描写は先のことを考えると辛すぎて何度も目を逸らしそうになりました。
後半のエイミーのお話があってようやく救われたかな。
音楽や映像の演出で人物の内面等の描写をしていましたが、私はあまり好みではありませんでした。
兄の精神構造があまり理解できず、感情移入できなかったです。
ただ、兄と父の思考回路が似ていて、この親にしてこの子ありというところはとても共感できました。
長くて強烈なネタフリ
前半の兄の話の兄の転げ落ちっぷりがあまりにも壮絶過ぎたので、それを受けての後半の妹の話に一体どんな事が起こるのだろうかとドキドキしていたら、、、
前半の兄の話は後半の話のための長い長いネタフリだったのですね。
というか、前半の兄の話だけである意味映画として成立してるので、その時点でおわってもヨカッタくらい。
でも、監督や脚本家は後半を描きたかったんだろうね。
最後まで見たらそれは伝わってくるけど、、、
しかしながら、兄の転落ぶりはあまりにもヒリヒリし過ぎていて、見ていてツラかった。もう充分でしょというラインをどんどん越えて、そこまでしないといけないの?というくらいの転げ落ちっぷりですから。しかもそれがメインの話ではなく、ネタフリって、、、
スタイリッシュな映像にかなりキツめな内容という、変わった映画でした。
物足りない
前半は兄の、後半は妹の単純なるラブストーリーです。内容も薄っぺらいです。でも、それじゃぁ2時間ちょいも、もたいないので多少凝った映像と31曲の音楽で補ってる作品でした。映画の出来としては、大した事なかったですね。
ウォーターパークのデート場面がいい!
「このクソ野郎💢」と自身の怒りの導火線をMAXまでに上げてくれた
ケルビン・ハリソンJrの圧巻の演技力に逆に大拍手!
その彼に、毒の気持ちのまま劇場を出るのかと・・思わせられた「兄編」
兄は選べなくとも彼氏は選べる!
愛し合い、支え合える相手を見つけ
毒の日々から少しずつ穏やかな心を取り戻し
前向きに生き始めた「妹編」のお陰で平常心を取り戻し劇場を後に出来ました🍀
自転車で手放し運転が出来ても両親と恋人の手は決して離さぬ様にと祈りながら・・
・・ちょいちょい入る斬新なカメラワークに軽い船酔い状態になってしまった中年は私だけでしょうか?・・😅
前後半のスイッチは見事。
プレイリストありきの映画という事で音楽好きの私は楽しみにして観た。
映画前半を観ていた印象は、
『音楽だけ聴いていたら良いな』
『ストーリーだけ追っていたら良いな』
ストーリーの展開は凄くわかりやすく
主人公が一気に落ちていく姿は痛々しかった。
しかし、音楽がケンドリック・ラマーの曲以外は
ポストエレクトニカよりで、若干ストーリーの深刻さと
違うかなと思いながら観ていた。
しかし、後半になって妹が主役になった時、
一気にアンビエント風の音楽になって、
妹視点でストーリーが繰り広げられたとき、
この作品凄く心地よいなと思った。
ストーリーの主軸をブれさせず、
作品の前後半で展開を変化するのって凄いなと思った。
そしてラストのRADIOHEADの『True Love Waits』には
感動した。
個人的にRADIOHEADは昔から聴いていたし、
この曲がこんな風に使われるのか、と感嘆。
最後はちょっと泣いた。
#49 感情をスクリーンサイズで表現する
新しいやり方。
タイの気持ちが縮こまると正方形サイズ、エムは上が切れた横長さいずになり、気持ちが満たされると通常のサイズに戻るという具合。
タイが厳しい父親の教育のプレッシャーに押しつぶされるのは最初からわかる話。
タイが主人公の前半よりもエムが主人公の後半のほうが私は共感できた。
"Sound & Color"
プレイリスト・ムービーと大々的に宣伝する程、個人的には音楽にインパクトを感じられなかった、最近の含めて聴かないジャンルばかりが流れた要因か?
ラストに"Alabama Shakes"の「Sound & Color」が流れて、好きなバンドの曲がエンディングで、エイミー・ワインハウスは気付かずにスルー!?
凝った映像と場面に合わせた音楽、心を揺さぶられる感動や衝撃を求める感覚で観ていた反面の肩透かし。
将来の夢に一直線で全てが順調な日々から一転、全てが砕け落ちる様が定番とも言うべき分かりやすさで描かれていて、共感出来る若者は国は違えど日本にも沢山いるのでワ。
娘との絆を取り戻そうとする父親が、逆に自分が相談する立場に、複雑な家庭環境の中、二人だけの関係性に涙するが、娘が自分を責めて後悔する場面、あんなムキムキの父親が息子に対し一回吹き飛ばされて断念してしまう情け無さ。
斬新さとは違うが、全てが新しい2020年代の正しく今!を象徴した映画って印象を受ける、日本の中高生は観るべき作品としてお薦め。
大理石の床は危険すぎる、、、!?
期待していましたが、普通でした。
兄弟の物語、別々の進行など映画宣伝に興味を持ち観に行きましたが、普通でした。
たぶん兄が事件を起こすところと家族が一つになっていくことがヤマだと思うのですが、
この程度のヤマはTVの2時間ドラマでもあると思います。従い、この程度は想定出来ます。
黒人の一般よりも裕福な家庭でなくても、この程度は白人でも、また日本人でもあるでしょう。
もっと落差を感じられれば感動しますが、ちょっと中途半端感は否めませんでした。
新しい映像表現への挑戦
画像的な新しさはすごい!
画角・面積と、色、音楽で主人公の精神状況を表していて、前半は段々画面が小さくなって&暗くなって。
後半は段々広がって、明るくなっていく。
プレイリスト・ムービーって宣伝は、全然嘘で詐欺に近い。
無駄なセリフがないくらい、セリフを最小限に削っているのですが、心境を説明するのに歌の詞を利用してるので逆に言及しすぎてうるさいという。
傍目では上手くいっている家庭の、崩壊と再生を描いていて、一見すると感動的に思える。
だけど……
前半と後半で主人公が変わるのですが、前半の主人公、兄タイラーと父親にはかなり苛つき、お前らまとめて人生台無しになればいいのに、としか思えない不愉快なキャラ設定とシナリオ。
ことあるごとに、アルコールやドラッグありのパーティーやっていて、酔って車を運転する高校生なんて、日本じゃまったく縁がないので、どうにも「あーそう」と冷めてしまう自分を止められず。
エンディング・キャストのリストを見ても、トップ(主役)が後半の主人公・妹エミリー。
なので、前半のタイラーは完全に当て馬というか、エミリーの引き立て役。
たぶん、タイラーや父親のような、少し前にアメリカに多かった、人の話を聞かずに「自分のために女を利用する男」「全ての判断基準は自分可愛さ」な独善的男像を否定したかったのだろうと。
ただ、男性がフェミニズムやポリコレ視点を意識して、男性の嫌な部分を強調して作ったような計算的いやらしさも感じたんですよね。
「アカデミー賞欲しい病」な臭い。
映像体験としてはいいけれど、中身は好きじゃない。
自尊心と尊厳
フロリダに住む比較的裕福な家庭の男子高校生に降り懸かると問題の数々と、兄の顛末を受けての妹の話。
左肩に痛みを感じながら、日々トレーニングに励むレスリング・フリースタイル選手の主人公タイラー。
「お前の為」と、理想や思想を押し付けてきて、まっすぐに向き合わない父親や、話は聞いてくれるけれど血の繋がらない母親等の状況から、追い詰められていったのか、自分で自分を追い込んでしまったのか…。
トラブルを抱え、暴飲暴食に走り、熱くなると父親と同じ様な言い分を述べるタイラー。
君の為、お前の為は、実は自分の為というね。
自業自得とはいえ、彼のおかれた環境がしっかり描かれていて、タイラーのパートは悲しく哀しく、痛々しい。
タイラーの顛末を受けてのエミリーのパートは、それでも娘をケアしない、その必要性を感じない父親に苛つきをおぼえるとともに、エミリー目線でいうと哀しいところから始まるが、そこから約30分間積み上げていく恋愛物語がちょっと怠く、正直けっこう長く感じた。
しかしながらその先にある展開は、あなたの為が自分の為、自分達の為にとなっていく対比的な展開で、ベタだけどそうであって欲しい結末が、温かく響いた。
邦画的
予告を見て想像していたのとちょっと違かったかな。
好き嫌いの好みが分かれそうな。
兄妹の2つのストーリー。
兄の話はすごく引き込まれました。ケルビンハリソンジュニア、めちゃ上手。
妹の話がたっぷり間延びに情緒的、でなんだか邦画みたい。
画面サイズが変わる演出は途中で気づきました。どの場面で変わるか、誰かレビューしてくれてるかな。
あと音楽がトレンドレズナーなんだ。
テンプレすぎない?
前半の展開はもう擦り倒したような内容で、鑑賞中にうんざりしました。
後半は破綻寸前の諸々を、あの彼が救ってくれた。。。
うるさいくらい愛を強調されて、これも辛い
音楽は全体的に重低音が効きすぎてうるさいし、効果音がずっとズーンとかドーンとかなってて、ドゥニビルヌーブかと。
音でのあからさまなミスリードというか、こちらの感情に不安感を与えてくるのが結構不快でした。
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