ザ・レポートのレビュー・感想・評価
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アメリカってすごい
アメリカという超大国でありながら、きちんと良心のある対応ができるのは本当にすごい。
作中、こんな報告書が完成すること自体がすごいことだ、そしてそれを公表できる国でありたいという言葉があった。当たり前のことみたいだけど、世界のどの国もできることではないと思う。
拷問の始まりは行きすぎた正義であり、拷問自体は違法。
それが実行された事実を公表することはアメリカにとってデメリットしかない。
もちろん公表に至るまでにたくさんの妨害や反対意見はあったのだけど、それでも最終的に公表に至る決断ができるのは地方国家の体制が根付いているからだと思う。
国としての過ちをきちんと自国で正せることは素晴らしい。
また、アダムドライバーの演技も素晴らしかった。
モデルになったダンが今少しでも平穏に幸せに暮らせていることを願う。
アメリカってすごい
上院調査員ダンが9.11後のCIAの尋問(拷問)の調査をする実話ベース作品
5年をかけて6,000枚を超えるレポートの調査をしたダン
CIAの妨害もありながら、そのレポートも明らかにできるかわからなくなったり、罪に問われるかもしれなくなったりしながらも書き上げたレポート
その根気強さと立ち向かう勇気はすごいとしか思えませんでした
尋問という拷問シーンは今まで観た中で一番観るのがしんどく観ていられない程でした
地下のあんな部屋でそれを調査したダン達はどれだけ精神的にしんどかったのかと思います
それを行ったCIAの人達はアメリカ国民を守るためという使命感からだったのでしょうけど、途中からその使命感からかけ離れたものになっていったように思えました
本当にテロリストだったのならあんな拷問をされても仕方ないのかもしれないけど、根拠もなく拘留された人達がほとんど、拷問による尋問の効果は認められないという事実がひどすぎました
その事実を公表してアメリカという国を正す人達の正義感は素晴らしいです
よく映画化されたもんだと思える作品が他にも何作もありますが、そういう作品を観る度に、映画化されると不都合な人達がいながらも映画化できるアメリカってすごいと思います
基本的にはいい作品
事実に基づき、物語として主人公を立てて描いた作品。
国家機密 国家権力 法治国家であるはずのアメリカ。
9.11、以来大いなるテロとの戦い方に対する法の解釈と手段を勝手な方法、つまり捕虜の拷問によって行ってきたCIA。
しかもその尋問の結果は粉飾されたものだった。
事実を必死で隠す者と、それを暴き出すものを描いた作品。
作品の根本思想にあるのが、良きアメリカ人の自由で開かれた社会であるべきという考え方。
最後の演説で、我々(アメリカ人)は世界に誇れる民族でありたいというような言葉は、この作り手の思いであるのは間違いなく、立派な正義感に満ち、理想的国家が存在するようだ。
作品としては、アメリカ映画らしく、彼らの素晴らしい部分が顕著に表れている。
しかし同時に、最初のボタンから掛け違わせることで、世界を欺いているともいえる。
陰謀論などは語りたくはないが、あの事件は、RE:CYBORG にまで登場するほど掘り返すべき問題が山のようにあり、また、掘り返せば死が待つ。
あれだけ素晴らしいRE:CYBORGという作品が、国内のごく限られた場所で、ほんの短い間だけしか上映されなかったことさえ、「なぜ?」と考えざるを得ないのだ。
徹底した緘口令… 報道しない自由… 国民に思考させない… 同町圧力… 失われてゆく自由思想と自由な発言。
作品は、どこまでも正義感に満ちあふれ、正義が勝利するが、軽く俯瞰すると、すべてが仕組まれているようにしか見えない。
作品そのものは面白かった。
世界屈指の情報機関の闇を暴く過程を重厚に描いた良作
まだ『ゼロ・ダーク・サーティ』を見てないことに気づいた!
THEとREPORTの間に赤塗りされた文字は“TORTURE(拷問)”だ。このタイトルでさえ拷問の文字を排除し、秘密を暴いたのに黒塗りされたレポートといった意図を如実に表すタイトルだ。
『モーリタニアン黒塗りの記録』(2021)の内容とも被ってくる作品ではありますが、こちらの作品はCIAの記録を調査する上院職員ダン(アダム・ドライバー)を中心とした実話モノ。ほぼ会話劇で進むために、恐怖を味わうような緊迫感よりも政治とCIAの絡みの裏事情がヒシヒシと伝わってくる仕組みとなっていました。SEREプログラムや3Dといった専門用語も登場しますが、要は心理学者が拷問に加担していたこと。拷問への抵抗する教えが逆に拷問利用へと変わっていったことがわかります。cf:ミッチェルとジェッセン
6年間入室も厳しい調査室で穴蔵生活のような職場に身を置き、真実を暴こうと意気込んでいたダン。関係者の調査などでレポートをまとめていくが、それが7千ページにもなる内容となった。実在の政治家の名前、特にブッシュやオバマ大統領、チェイニー、ラムズフェルド、ライス、アディントン等々がボンボン飛び出してくる面白さがあります。
キーとなるのは水責めは効果が無いということ。結局はビンラディンとは無関係な者を拷問し、アルカイダやビンラディン殺害に成功したというのも拷問から得た情報ではなかったことも明らかになっていく。そして、強化尋問法も破棄したオバマ大統領でさえ、その審議過程についてはひた隠し。主人公のダンにしても英雄扱いされるか裏切り者の烙印を押されるかの両極端の意見がまた分断の要因になるだろうことも頷けるし、世間に真実を伝えることも諸刃の剣だと訴えてくる。
反権力といったテーマではないし、真実を明らかにするといったジャーナリズム精神がダンにはあったのだろう。それは共和党、民主党の政策に偏ることなく、超党派での闘いなのだと。さらには三権分立の真意も伝わってくるし、相互に監視し合うことの大切さも訴えてくる。
それに比べて日本で起きてることと言えば、政権維持のために政治活動したり、私利私欲のために政治をしたりする小悪党ばかりなんだと・・・情けない。まぁ、日本では人権の尊重さえ無くそうとしてるんだからなぁ・・・悲しい。そろそろ敬遠していた『ゼロ・ダーク・サーティ』でも見てみるか。
製作者たちの強い問題意識を見せつけられた
アメリカも大変だ
日本でもこうあってほしい
自浄作用のあるアメリカという国が羨ましい
日本の政界というか、社会に、一番足りない物を見せられた🤔 長い物に...
CIA
平和な世の中にならないもんかな
9.11のテロが発端のCIAの強化尋問プログラム(拷問)の隠蔽事件。
憎むべきはテロ行為。
国民としてはテロを阻止して安心して暮らしたい。
テロで大切な人を失った人達はテロリストを許せない。
尋問を行った人達はそれぞれの正義があったのか無かったのか?
行き過ぎた行為と分かった上で、立場を守る為に隠蔽したCIAに正義はあったのか?
モヤモヤします。
テロ行為にしたって、元を正せば数千年前から続く民族、宗教戦争の成れの果て。
武力で攻撃しようが制圧しようが、根本的解決にはなりません。
アメリカは、過ちを認められる他国の見本となる法治国家である!
みたいな感じで締め括ってけど、そもそもあんた達ネイティブアメリカンの土地を武力で制圧して占領したんだよね?
この手の映画を観る度に、いつもそう思ってしまう。
とは言え調査官の一個人の正義?を貫く姿勢には感銘しました。
それにしてもstar warsのカイロ・レン役で初めて観た時は、「何だこのマヌケ面は!」とガッカリしたもんですが、その他の役のアダム・ドライバーは好きです。
ここ最近のstar wars切っ掛け役者では、1番潰しが効く役者じゃ無いのかなぁ?
違いますか?そうですか。
学び…
拷問シーンはエグいけど
深淵を覗く者
ザ・トーチャーリポート
残虐な尋問によっていい情報を引き出すことを期待するのは、「電波の受信を良くするためにラジオを金づちで叩く」ようなもの。極端な心理的・肉体的苦痛は虚偽の自白を生みやすいという研究結果もある。
屈辱がテロリストを生むのであれば、なぜ屈辱によってテロリストが自白すると考えるのか。科学としてはもちろん、論理的にも矛盾している。
ジャック・バウアーは、強引な手法で容疑者を次々に自白させ、事件を解決する。(奇妙なことに、バウアーはテロリストに拷問されても自白しない)。
ニセ科学・心理学者のミッチェルとジェッセン。この2人は実際の尋問がどういったものかという経験がなく、さらにはアルカイダや、テロリズムの背景、地域・文化・言語の専門知識もなかった。それでも、CIAはアルカイダの調査をミッチェルとジェッセンに依頼。
状況を悪くするだけのこの方法がまかり通り、隠蔽されていく過程が淡々と描かれていた。
資料室にこもって、ただひたすら膨大な文書に目を通していくという地道な作業。最初は1年と言われていたのに、結局7年。この地味さは、そもそも映画として成り立ちにくい題材かもしれない。
唾棄すべき真実への内なる熱と、自分はあくまで当事者ではないという冷静さ。個人的なことは一切語られていない主人公なのに、鑑賞者に対して圧倒的に説得力を与えるアダムドライバーの素晴らしさ!
9.11
実話ベースの社会派
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