劇場公開日 2020年12月25日

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ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)のレビュー・感想・評価

全184件中、41~60件目を表示

4.5心が優しく包まれる。不思議な出逢いが織りなす、不思議な愛情物語。

2021年2月16日
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悲しい

楽しい

幸せ

【賛否両論チェック】
賛:恒夫とジョゼの不思議な心の交流が、切なくも温かく描かれていくのが印象的。アニメならではの映像美や音楽美も魅力。
否:絵に描いたようにご都合主義な展開なので、思わずツッコみたくなってしまう。

 夢に向かって努力を続ける主人公・恒夫が出逢った、口が悪くて小憎らしい車イスの少女・ジョゼ。始めこそギクシャクしていたものの、身体が不自由だからこそ、自由な外の世界へ強い憧れを抱いているジョゼの心を、恒夫がやがて知った時、そんな2人の関係にも少しずつ変化が訪れていく様が、観ていて微笑ましかったり、時には切なく映ります。
「好きなものに手を伸ばすのが・・・どれだけ怖いことか!!」
という恒夫の言葉が、胸に残りました。
 また、詳しくは実際にご覧になっていただきたいのですが、劇中で登場する“絵本”の描写が、実に的を射ていて、とってもステキでした。そしてアニメーションならではの幻想的な映像美や、そんな世界観を温かく包む音楽にも、思わず心が洗われるようです。
 ただストーリーはメチャメチャご都合主義で、
「いやいやいや!!(笑)」
とツッコみたくなってしまうほど、偶然が出来すぎているようなシーンもあったりします(笑)。
 デートでは勿論のこと、是非大切な方と一緒に観ていただきたい、そんな作品です。

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門倉カド(映画コーディネーター)

4.0ジョゼがとにかく可愛い

2021年2月11日
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泣ける

楽しい

萌える

全体的に画面が美しい!

一枚絵で印象的なシーンが多いので、観る際はぜひできるだけ大きな画面で観たい作品。

通常のシーンでも背景が美しく、カメラワークと相まって観ていて飽きない。

そして何よりジョゼが可愛い。
もはやそれだけで観る価値がある。

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アオイ

3.5ジョゼが魅力的

2021年2月6日
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鑑賞方法:映画館

原作未読で綺麗なアニメの画に惹かれて見ましたが、
ファンタスティックな絵柄に反して
結構なエグい展開にびっくり。

アニメだと実年齢より低く描かれがちだからか、
ジョゼは高校生かと思ったので、
20代半ば?だとすれば、
ホワホワ恋愛な展開にはなりませんね。

ジョゼを自立させず囲う祖母は
自分の死後どうするつもりだったのか疑問でしたが、
実は思う所があったような描写が良かったです。

見た目は妖精だけど、我が儘辛辣。
凄く怖がりだけど芯が強く。
なかなか居ない女性ですね。

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ゆうすい

5.0綺麗にまとまっていている爽やかな作品

2021年2月3日
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鑑賞方法:映画館

原作小説・実写映画ともに見ていない状態での本アニメ映画を鑑賞しました。

個人的にはとにかく満足度の高い作品。

アニメならではの映像表現がとても綺麗で、その映像に乗る声も違和感なくどんどん引き込まれていきました。

映像だけではなく、ストーリーも良かったです。
「そこまで落ちる!!」と思いここからどうやって話がまとまるのか凄くハラハラしましたが、最後はスッキリする終わり方で温かい気持ちになりました。

鑑賞後、とても優しい気持ちになりました。

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いろいろ

5.0素直に良かった

2021年2月2日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

アニメ映画は話題のモノも一通り観ているけど、これが一番良かった。
原作も実写版も見ていませんが、先入観無しで観た方がよいかなと思います。
素直に、前向きな気持ちになれました。
あまり宣伝されてないようなので、もっとヒットして欲しい。
エンドロールに後日談が入るので、途中で席を立たないように。

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であであ

4.0美しい映画

2021年1月31日
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鑑賞方法:映画館

良作。劇場のスクリーンで見られてよかったです。
ストーリーだけでなく風景描写の美麗さにも浸りました。

それと、人の夢を無造作に否定するものじゃないと、改めて自省しました。

気になりつつ未見でしたが、アカデミー賞入賞の報道につられてようやく初見。
後日Blu-rayとかじゃなく、劇場公開中に行って良かったです。

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たけのこ

5.0外は虎だらけだけど

2021年1月30日
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自分であれこれブレーキをかけずに、挑戦していきたいなと思わせてくれる素敵なお話でした。

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ふさ

5.0余韻がすごい。面白い。

7さん
2021年1月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

萌える

見終わったそのときは、なんだか温かいものがよぎったな、くらいだったのですが、
一週間もすると、だんだんジョゼと恒夫の二人に会いたくなってきました。もう一回観に行こうかと考えています。
後からじわじわきてびっくりです。

ストーリーもキャラクターも良いです。

クリスマスにカップルで観たらいい感じだろうなぁと思いました。私も恒夫みたいな彼氏が欲しいです。かっこよかった。

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7

4.0感情移入でき楽しめた。贅沢を言えば、プロの声優で観てみたいと思った。

2021年1月30日
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鑑賞方法:映画館

感情移入でき楽しめた。贅沢を言えば、プロの声優で観てみたいと思った。

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あすきち

3.0どこにもケチの付けようのない良作なんだけど…

2021年1月29日
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実写版の映画を観てから何年経っているだろう。忘れかけていた記憶が呼び覚まされるが、それは少し趣きがちがっていて、あの時の観賞後感とはまるで別のものだった。

作画も音楽もキャストもいい感じでケチの付けようもないのだが、あの日観た実写版の胸をえぐるような感じは無かった。なんとなく綺麗にまとまって、敵を作らない分、強力な味方もつかない感じ。良い映画なんだけど…。

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ごんす

3.5きぃのつよいおんなどうしの恋の鞘当て

2021年1月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

池脇千鶴さん、というとレビューでもコメントでも「ジョゼ」とあるので、ジョゼ、ジョゼ、ジョゼ。映画館でやってる!予約した!あれ、アニメ?粗忽!でも、見てよかったです。

水、光、風、全てが美しく、大阪のいろんなとこ(粉もの屋、串カツ、梅田できれいになった所など)が楽しかったです。何より予想外だったのは、海の中、魚の群れから映画が始まったことです。ダイビングはすぐ鼻血が出るので、専らシュノーケリングが好きなのですが、とにかく海、水から映画が始まったので、それだけで嬉しくて涙が出ました。もうかなりの期間、海で、珊瑚礁、きれいな魚の群れ、カメさんに会ってないのでせつなくなりました。

いい映画でした。

アニメの見方、楽しみ方、あるんですね。息子に言われました。

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talisman

2.5とっても綺麗な絵作りのアニメだけど〜

2021年1月27日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

難しい

生活費を切り詰めて夢のために頑張ってる爽やか青年恒夫。

車椅子の我儘娘のジョゼ。
最初の方はジョゼの我儘にイライラさせられるけど

どんどん前向きに変わって行く姿は
観ていて楽しいです。

まあ、最後は結構良い話で終わってるので

あんまり苦しいものは苦手な人にはお薦めです。

最近の若い俳優さんはみんな達者ですね。
声を当ててる中川大志も清原果耶も上手かったです。
清原果耶の大阪言葉も、今時の若い子は
そんなにコテコテな喋り方はしないので

まあ、こんなもんでしょう。


で、月に8回ほど映画館に通う
中途半端な映画好きとしては

車椅子で生活する人がみんな良い人である必要もないので

少々いじけたジョゼの気持ちも解らなくもない。
ただ、相手になる恒夫があまりに良い人過ぎて
ちょっと逆に白ける〜〜いかにも作り物。
まあ、作り物だけど〜〜

田辺聖子氏の原作は未読だけど
、
これ以外の小説は何冊か読んでいて
原作から随分改編されているんだろうな〜〜
と言うのは想像できます。
そもそもこんなキラキラした話を書く人では無いから。
このアニメに感動して原作を読む若い人は

たぶんがっかりするかも〜〜

でも、 大阪界隈に馴染みのある人には
観たことのある景色ばかりでちょっと楽しいですよ。

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星のナターシャ

4.0まず絵が綺麗!!!流石安定のボンズ作画です。 海とか光の描写がめち...

2021年1月27日
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鑑賞方法:映画館

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萌える

まず絵が綺麗!!!流石安定のボンズ作画です。
海とか光の描写がめちゃくちゃ綺麗…✨

そして声優さんですが、最初俳優さんが声を当てると聴いて観なくていいやと思っていましたが、主演の中川大志さんの演技が凄くてほとんど違和感なく観ることが出来ました。

内容も原作未読ですが、エンドロールにその後が描かれていたりと文字通り最後まで楽しむことが出来ました‼︎✨

観て良かった作品の一つです。

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id

4.0作画と感情表現の素晴らしさがとても好感持てた作品

2021年1月27日
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鑑賞方法:映画館

やはり映画になると作画が素晴らしいですね。
動きも感情表現も細かくされていて、スクリーンで見てよかったです。
特に色彩表現が好きでした。

俳優が声優を演じるのは基本好きじゃない作品が多いのですが、これは違和感少なかった。
そこ懸念している方も安心して観れるのではないでしょうか。

本とも、実写映画とも話が少し違うようなので、本を読んでみたいと思いました。
そう思える作品は、とても良い作品という評価の私です。

とにかくジョゼが可愛い!それだけでも観る価値あると思います。

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MUGEN_kai

4.5恋がしたくなる。

2021年1月20日
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原作、実写映画ともに知っているため、とても楽しみにしていました。

令和の「ジョゼと虎と魚たち」のアニメーションで、原作や実写版を知らなくても本作のみで楽しめます。

アニメーションならではの多彩な表情や豊かな色彩美、実写では難しい部分をアニメーションで描いていて見応えたっぷりです。

また、大阪の街、北、ミナミ、海遊館、天王寺動物園、大阪メトロ、ヘップファイブの観覧車、大阪大学などなど
大阪に馴染みのある方は沢山の発見があり楽しいはず。

ジョゼの素直になれない不器用な部分や、少しずつ恒夫に心を開いていく描写に切なく、ポロポロと涙が溢れました。

恒夫については、こんな人が実世界にいれば私も恋に落ちてるだろうと思うほどのいい男でしたね。
恒夫の声を担当した中川大志さんの声も素晴らしく恒夫にハマっていました。

映像は美しく、脚本も申し分ない。
青春を感じ、ピュアな恋がしたくなるような美しい作品でした。
もっと多くの人にみてほしいです。

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マキ

4.5心の翼や!今、アタイに必要なものは。

2021年1月19日
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ハッとさせられた。
長引くコロナ禍で翼が折れてしまった人がどれだけ沢山いることだろうか。
私もそのひとりだ。
飛べなくなってしまっても、心の翼だけは折れないようにしよう。
心の翼や!今、アタイに必要なものは!

原作や実写版から、エロやエグ味の小骨を全て取り除いて美味しく食べやすく上手に料理してあった。
この癖のある魚にはこんな美味しい食べ方があったのだ。
もちろん現実は綺麗事だけでは片付けられないのだろう。
脚が不自由なべっぴんさんは親切にするかわりに性の対象として見られるようなこともあるのだろう。
そこは、今、ちょっと横に置いておいて。
魚イコール夢、虎イコール外敵という視点から見てみると、こんなにも美しく勇気を与える物語になってしまうのだな。
今、アニメとして作るとしたらこれが正解。暗い結末は観たくないし、この作品を観て、たくさんの人達が勇気づけられたと思う。

恒夫が夢を持って努力する青年というキャラであることと、バイト先がダイビングショップという設定が良かった。
アニメならではの美しい映像もたまらない。海の中も、人魚のように泳ぐジョゼも素敵。
大阪の街とか、見覚えのある場所がリアルに描かれているのもいい。
図書館司書とは友情が芽生えるし、絵本の読み聞かせを通じてジョゼにも叶えたい夢ができる。
ジョゼの手作り絵本の読みきかせのシーンでは涙が止まらなくなった。

ここからは蛇足。
エア切れになった時はバディはとりあえず海中で、オクトパスを渡そうよ。
急浮上して安全停止もしないで海面まで一気に浮上しきったのは恐らくダイマスである恒雄の行動としては気になってしまった。
でも伏線としてあそこでエア切れになっておく必要はあったんだよなー。
ダイビングショップの店長の声が見取り図じゃないか?
と思いながら観てたらやっぱりそうでした。
特徴あるなー盛山さん。
中川大志くん、清原果耶ちゃんのキャスティングもすごく良かった!

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momo

5.0恒夫くんかっこいい!

2021年1月18日
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絵が好き。ずーっと面白かった。声を演じる役者さんもよかった。喜怒哀楽ぜんぶあった!

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ま

4.0アニメっていいなぁ…

2021年1月18日
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鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

シナリオが都合良すぎるとも感じましたが、創作なんだからこれで良し。
皆が観たいのはこんな感じだわ。
ジョゼッペの声が印象的でした、関西弁もホンモノです。

よし!次はプペルでも観てみるか・・・

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赤囲碁

4.0実写の難しさを再認識

2021年1月16日
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鑑賞方法:映画館

その女ジルバの番宣に主演の池脇千鶴が出ていて、「彼女の出世作ってジョゼ虎でしょう」と衝動的にアニメ版のジョゼ虎観に行ってきました。
役者の芝居に左右されないからストーリーは良かったと再確認できました。君の名は、天気の子が東京の描写が素晴らしいですが、ジョゼ虎は大阪の描写が素晴らしかった。HEP5、新世界、須磨、天王寺動物園、大阪に住んでいた事がある自分はノスタルジックにもなれました。
妻夫木聡と池脇千鶴の実写版も良かったがアニメだともっと明瞭に感じます。誰もが感動できる良い作品だったが実写って難しいと再認識しました。進撃の巨人やデビルマンのようなコミックでアニメ先行だったらさらにハードルも上がるのでしょうね。

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トシくん

5.0これは現代の人魚姫の物語

2021年1月16日
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鑑賞方法:映画館

 1週間前に前情報無しに劇場で鑑賞して、非常に感動したので原作を購入して読み、再び観た上での感想です。

 原作は田辺聖子の同名小説。これに大幅に味付けして、より恋愛味の多いストーリーに仕上げたのがこの作品。原作との大きな違いは、恒夫がダイビングをやっていて、いつかメキシコに留学してとある魚の群れを見るという夢を抱いていること。そしてジョゼことクミ子が趣味で魚の絵を描いていて、海の魚で二人の興味が繋がっていること。これによって原作のタイトルの「魚たち」がより大きな意味を持つようになっています。

 まず感動するのが映像の美しさ!舞台は大阪なのですが、大阪の街並みが非常に精密に描かれています。私はかつて関西地方で生活したことがあり、現在も年に5-6回大阪にいく人間なので、慣れ親しんだ大阪の町が美しく描かれていて、嬉しくなってしまったというか。特に恒夫のバイト先のダイビングショップの場所は南海難波駅南のガード下、天ぷら大吉のある場所で、「俺のよく通ってる店のあるとこやん!」と、心の中でにやりとしてしまいました。

 次にキャラクターの描き方が良いですね。冒頭でジョゼは恒夫は命の恩人なのにもかかわらず、変態!と悪態をつき、さらには身の回りの世話をするバイトを始めた恒夫に対し、理不尽な要求ばかり突きつけます。あまりのことに酒を飲んでくだを巻く恒夫。そんな最初は憎たらしかったジョゼが、話が進むにつれだんだんと可愛くなり、最後はその全てが愛おしく感じるほどに変わるのです。このツンデレの演出のバランスが素晴らしい!もう、見ていてキュンキュンしてしまいました。

 また、ダイビングショップの仲間の二人も良いですね。二人ともこの作品のオリジナルキャラなのですが、隼人はダイビングの際のバディとして、日常でも陰日向に恒夫をサポートしてくれます。また、後輩の舞はジョゼの恋敵としてより恋愛ストーリーに深みを持たせてくれています。

 ストーリーはネタバレになるのであまり多くは語れませんが、序盤の出会いから二人の関係の展開、そしてとある出来事からのジョゼの生活の変化、そして大きな事件による恒夫の挫折、そこからの立ち直り等々、シノプシスの構築が非常に良く出来ていて、流れるように話が展開していてGOOD。中だるみすることもなく最後まで存分に楽しめます。私は途中からもう泣きっぱなしで、ハンカチで涙を拭くのを諦めました。

 この作品はまさに現代の人魚姫の物語なのです。生まれついての足の障害を持ったために社会に出ることが出来なかったジョゼ。それは地上に憧れ続けた童話の人魚姫と同じです。そしてそれを外に連れ出したのが王子様役の恒夫、彼との出会いがジョゼを変え、やがて一人で生きる勇気を与えて、最後は逆に挫折した恒夫を助ける力となるのです。実際作中で人魚姫の物語が様々に関わってきますが、実にこれが効果的でした。

 さて、ここまで恋愛ドラマとして感想を述べてきましたが、この作品にはもう一つの軸があります。それは障害者から見た社会の理不尽さです。生まれつき下肢が動かないジョゼは、これまで社会から数多くのストレスを感じてきました。彼女のひねくれた物言いも、そうした体験から出ています。それをそれとなく観客に伝えるために、カメラ目線が時々グッと低くなるときがあります。それはジョゼの目線。健常者から見たらなんとも思わない風景が、車椅子に座る者から見たら絶望的な壁に感じる様を伝えています。こうした部分も含め、この作品を作るに当たって、監督のタムラコータロー氏は車椅子関係者に詳細に取材して丁寧に作品に反映させています。

 この障害者に関する部分に関して、他のレビューを見るとまだまだ甘いとか、お花畑過ぎるみたいな感想もままありますが、私はそこまでとは思いません。もちろん現実の障害者の苦悩はもっともっと大きいのでしょうが、それをあまりに前面に押し出してしまうと、恋愛ものの範疇を超えてしまいます。かつて手塚治虫が「漫画の書き方」でこう言っています。「テーマはさりげなく、シノプシスは丁寧に」と。

 映画やアニメ・漫画はあくまでもエンターテイメントです。まず観客を楽しませることが第一、テーマが前に出すぎたらその娯楽性をスポイルしてしまいます。だからテーマはさりげなく後ろに潜ませ、その分筋書き(シノプシス)を丁寧に描いてテーマを観客の心に刻むようにしなければなりません。その点から考えると、この作品は障害者の辛さをジョゼの目からそれとなく感じさせていて、絶妙なバランスになっていると思いました。

 これはややネタバレになりますが、この作品の最後はハッピーエンドです。今のコロナ禍の混迷の世に、こうした終わり方は逆に救われます。現実の世の中が辛いのだから、映画の中くらいハッピーにしてもいいじゃないか。私個人はこの終わり方がベストだと思いました。

 この1年の映画の中で、個人的に一番お気に入りの作品になりました。BDが出たら必ず買おうと思います。あと、コロナ禍が収束したら舞台になった大阪の聖地巡りもしたいと思います。制作に関わった方々、素晴らしい作品を送り出してくれてありがとうございます!

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ヤスリン