「みんなただ寂しく優しい」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
みんなただ寂しく優しい
だいぶ前の実写映画は知っていました
ので懐かしいなと思って観賞
あれはくるりの主題歌も良かった
感想としては
・アニメであることを活かしたリメイク
・勇気を振り絞る瞬間が泣かせる
・うまい俳優声優陣
などなどここ最近観た映画では
久しぶりに泣けました
メキシコの珍しい熱帯魚を直に
見ることにあこがれ海洋生物額を
大学で専攻し留学のお金のため
バイトに勤しむ鈴川恒夫はある日
暴走した車椅子から飛んできた
ジョゼを受け止めたことで知り合い
追いかけてきた祖母がお礼に食事を
ご馳走してくれます
祖母と二人暮らしのジョゼは
生まれつき足が悪く車いす生活を
送っていました
すると祖母はお金を貯めていることを
知った恒夫にジョゼの相手を
してくれるよういい時給で依頼します
しかしジョゼは命の恩人の
恒夫にムチャクチャな頼みごとを
したり相手にしてくれません
しかも祖母は危ないから外へ出るなと
言われていました
そんな難しいバイトに悩む恒夫は
ある日家にいないジョゼを探すために
入るなと言われた部屋をのぞくと
そこには美しい色彩の海が描かれた
絵があり恒夫は心を奪われます
そして海へ行きたいと飛び出した
ジョゼを見つけた恒夫は一緒に
海へ行きジョゼが亡き父に出された
海水の味という
宿題をかなえ二人の距離は縮まり
恒夫はジョゼを外の世界へ連れ出し
ジョゼにも大好きな小説つながりで
友人が出来たり生活は一変
しかし徐々に恒夫の周囲の
楽しそうな環境に気後れし
ケンカも起こしたりしてしまいます
そんな折恒夫は悲願の留学の誘い
奨学金ととんとん拍子に夢が
叶い始めます
半年後に日本を離れることに
なりますがジョゼには
黙っていました
やがて祖母が急死してしまい
ジョゼは一人ぼっちになってしまい
バイト代を払えなくなると
恒夫も遠ざけるようになってしまいます
最後の連れて行けといった海の帰りに
車いすが引っかかって危なくなった
ジョゼを助けようとした恒夫は
車に撥ねられて重傷を負います
一命はとりとめたものの右足の
複雑骨折とそれに伴う後遺症で
歩けなくなる可能性も示唆され
留学の話もなくなった恒夫は
立ち直れない状態になって
しまいます
自分を助けるためにそうなった
恒夫にジョゼは祖母の死後
やめていた絵を再び描き始め
いったん翼を失った恒夫が再起し
心の翼で夢をかなえる紙芝居を作り
恒夫は涙を流し立ち直ります
その後恒夫は順調に回復し復帰
ジョゼに迎えに来てほしいと
頼みますが
ジョゼは来ませんでした
家を訪ねてもおらず探し回ると
出会った時と同じように暴走した
車いすから飛んできたジョゼを
受け止め絵本作家として恒夫に頼らず
独り立ちするつもりだったと
打ち明けるジョゼについに恒夫は
好きだと告白し物語は幕を閉じます
最初から勇気があったり強かったりする
人などいるわけではなく皆弱さ寂しさを
隠したいだけなのですね
ただその弱さをどこかで感じあえる時
本当に他人の気持ちに寄り添えるの
だろうと思います
実写版とは展開も違うしどうやら
原作小説とも違うようですが
アニメにしかできない表現や演出を
ふんだんに生かした作品だと思います
公開規模は広くはなさそうですが
やってたらおすすめしたいです