「ぎこちない父の愛情」血筋 Sosさんの映画レビュー(感想・評価)
ぎこちない父の愛情
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北京での特別試写会で鑑賞させてもらいました。
中国の朝鮮族自治州に自身の父親に会いにいくという話で、ついちょっと前に旅行で行ったばっかりの場所というのもあってこれは是非見たいと思い試写会に参加しました。
感想や鑑賞方法はは人それぞれあると思いますが、自分が一番ぐっときたのは父親の心理の変化、葛藤が目に見えて映る、人物と鑑賞者の近接性というものでした。初めて再会した時はスーツで髪もしっかりキメて出てきた父親も、段々とカジュアルになり、しまいには下着姿で登場。まさか映画に自分の下着姿が映るとは思ってもいなかったでしょうから、リアルな動作、表情、口調、全てがリアルな映像としてスクリーンに映し出されるのです。それを見ている我々は、あくまで監督の父親の下着姿という、普通であれば気まずい様な映像を食い入る様に見入ってしまうのです。これは父親だけに限った話ではなく、それぞれの登場人物の"癖"が彼らをただのスクリーン上の人物に終わらせることなく実際の人物へとなるよう肉付けをしてくれるのです。
そのような映像としての映画を楽しむこともできますし、物語としての映画も楽しむことができ、久々に良い映画を観たもんだと思いました。
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