「考え方を変えると、割と身近な話かもしれません。」星の子 一味さんの映画レビュー(感想・評価)
考え方を変えると、割と身近な話かもしれません。
私自身、信仰する宗教などはありません。
ですが信じるもの、愛するものは人それぞれ。
人によっては宗教も同じなんだと思います。
ただ、愛する人が信じているものや愛しているものを自分も同じように愛したり信じなくてはいけないのか?
時に、その為に犠牲にならなければいけないのか?
それはまた別問題かと。
信じることや愛することと、依存はまた別ですよね。
ただ、両親は宗教に過剰に依存してはいるものの、風邪を引いた娘を過剰に心配したり娘のことが大好きで大切なのだなということは見ていて伝わります。
そもそも宗教を信仰するようになったのも、娘の病気を受け入れられず縋り付いた先が宗教だった、というくらいなので。
そして宗教に依存する両親を見ても尚、両親のことを一度も否定しようとしない娘もまた、両親が大好きで大切なのだなと。
だからこそ、何が正しいのか悩むんでしょう。
両親が宗教に大金を注ぎ込み普段の生活をないがしろにしたり周りにお金を借りたりするように依存することは褒められた事じゃありません。
(だからと言って、あの教師のように人前でそれをなじったりするのは別問題ですが)
ですが、この作品ではその依存先が宗教だっただけで、身の回りにも案外同じような人がいるのかもしれません。
買い物依存とか、整形依存とか、SNS依存とか。
そう考えると何だか身近なテーマだなと思いました。
ラストシーンがとても好きです。
両親が同じタイミングで流れ星を見つけられたタイミングに、ちひろ(娘)は見つけられない。
ちひろが見つけられたタイミングに、両親は見つける事ができない。
人が違えば見えるものも違うんだなぁと。
血は繋がっていても、信じるものや愛するものは違う。
それでも寄り添えることが出来たら幸せですね。
余談ですが、ちひろの友人の恋人役の男の子が可愛くて度々笑いました。
芦田愛菜ちゃん大人になったなぁ