「焼肉とぬか漬けの愛が漂う、美味そうな作品です。」フード・ラック!食運 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
焼肉とぬか漬けの愛が漂う、美味そうな作品です。
前からなんとなく気になってた作品ですが、どんな内容でどんな着地点を着けるのが分からない感じで、ちょっと食指が動かなかったけど、観ない事には始まらないと思い、肩の力を抜いて観賞しました。
で、感想はと言うと、普通に面白かったw
観たら、焼肉…いや焼肉定食(古漬け付き)が絶対食べたくなりますよw
原案となるのが寺門ジモンさんのルポ漫画「ネイチャージモン」かと思いますが、単に焼肉屋の紹介や通な焼肉の焼き方・食べ方だけでなく、普通にドラマ性もあって楽しめました♪
何よりも焼肉美味そう!!
観たら、焼肉屋に行きたくなります。
特に劇中に出てきた「川崎苑」のキャベツの浅漬けと焼肉の食べ方はめちゃくちゃ美味そう。
また、ぬか漬けとご飯のシンプルかつ日本人のアイデンティティに訴え掛ける様な和食がたまりません。
古漬けを刻んでご飯の上に乗せて食べれば、そりゃあ美味いに決まってるわ!
そこにお茶漬けバージョンもあれば言う事無しだったけど残念。
最初のミックスフライ定食はなんだったのか?と言うぐらいにその後が怒涛の焼肉攻めになります。
元気に"いただきます!"と言う事って良いですよね。
食への感謝の気持ちを表すとなんかご飯も美味しく感じるし、もりもり美味しく食べれる。
片手を上げて"美味しいー!"と言う気持ちが気持ち良いです♪
キャストは主演のお二人以外にもなかなかなラインナップで、特に特別出演の大泉洋さんは結構贅沢な使い方。
…あっ!そう言えばカレーも出てたなぁw
そう思うと、焼肉一辺倒で劇中に出てきたミックスフライ定食やパン、カレーライスはあんまり意味の無い様な出し方で、ちょっと勿体無い使い方です。
土屋太鳳さんは大人の女性な感じでめちゃくちゃ綺麗になってた。
グルメ評論家の古山役の松尾諭さんは良い感じで嫌みな役ですw
石黒賢さんはすっかり中間管理職の上司が似合う様になってたw
焼肉・粋の店長役の筧美和子さんは贅沢な使い方です。
SNSでいろんな批評が原因で実家の焼肉屋が潰れて、母親が心労で倒れた原因もグルメ評論家の古山のせいかと思いきや、一番の原因で悪い奴はEXILE NAOTOさん演じる主人公の良人の子供頃とはビックリw
母親の安江の良い人っぷりが凄くて、良人の無邪気や悪人っぷりが酷すぎるw 子供の頃の行いで寂しさ故とは言えどなかなかな悪童で、その後ろめたさに家に寄りつかなかったって、それで良いのか?
また、最終的に焼肉屋を再開させるのか、ライターとしてやっていくのかが曖昧です。
ストーリーは「美味しんぼ」の焼肉版みたいで、良人と土屋太鳳さん演じる静香のコンビはもう山岡士郎と栗田ゆう子。
最初の良人の焼肉・粋の結構なイチャモンも初期の山岡士郎を思い出しましたw
ただ、この作品の良い所は焼肉をテーマにしてますが、きちんと親子の絆を描いていて、ストーリーは普通に楽しめました。
また、焼肉がメインなのにぬか漬けに焦点を置いたのも個人的には良いです。
また、実在のお店も紹介していますが、川崎苑は多分「孤独のグルメ」でも紹介された、あのお店かと思います。
良人と古山がそれぞれのウンチクと言うか、定義を語る時に文字スーパーが出るのは面白いし良い。
こういう遊び心も好きですね。
りょうさん演じる安江の大きな度量の広さと母親としての愛は泣かせます。
商売をしている家の子供が親の商売に嫌気が刺す時も分かるし、丹精込めたぬか漬けを台無しにしたけど、それを許した所の描写はぬか漬けって一朝一夕で出来ない物なだけにガツンと叱って欲しい所もありますが、子供への無償の愛情が泣かせます。
良い作品なんですが、EXILE NAOTOさんの演技は少し他のキャストさんに比べて薄さを感じるかな。
食の映画としては物凄くドストレートで思ったよりも面白かったので、思わぬ拾い物な作品で、観終わった後はお腹が空きますよw
結構お勧めな作品です。