劇場公開日 2020年2月21日

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「権力とセクハラはセット?」スキャンダル 七星 亜李さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0権力とセクハラはセット?

2020年11月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

実際にあったFOXの会長兼CEOのロジャー・レイルズをベテランキャスターグレッチェン・カールソンが告発したセクハラスキャンダルの映画化。
FOXと和解したカールソンがこれ以上、この件を言及できない代わりにシャリーズ・セロンが意地でも映画化すると奮闘して出来た作品。
この映画の企画が出来たときは、今の#MeToo運動の前だったというんだから、よほどの信念でセロンはこれを映画化したんだと思う。

日本から見るとアメリカは日本とは比べものにならないほど、女性が社会進出しているように感じるけど、
やっぱり男性優位な社会なんだと思うし、権力を利用したセクハラなんて当たり前なんだと感じた。

私が長い間働いていた会社は、社員が9割女性で、オーナーも女性なので、セクハラなんてある意味子供じみた行為が、今の世の中、普通に横行しているということを実感したことがなかった。
業種がアパレルということもあるが、はっきり言って、お客様も女性がほとんどだし、男性に何がわかるのよと思うところもあった。
ただ、たまに百貨店の人たちに会うと、婦人服なのに現場には女性社員はいても部長以上はほとんど男性。
あたかもコレクションもトレンドもわかってるし、みたいな口ぶりで、正直、自分で着るわけじゃないのに数字だけ見ている男性のお偉い方々が謎でしかなかった。

その後、転職して、別のアパレルの会社で働いたが、そこは、9割女性社員なのに1割の男性が部長職、役員職。
そして、度々行われる飲みニュケーションと呼ばれる懇親会にただただ付き合わされる。
7時頃スタートしたんだったら、9時か、10時で終わりでいいじゃんと思うのに、2軒、3軒と行くのが当たり前。夜中の2時で、あー今日はまだこの時間で帰れて良かったって思うのって、異常ですよね。
それに有意義な話ができるならともかく、だいたい途中から、セクハラ発言連発。ボディタッチは当たり前。下ネタの一つも言えなければ、話の通じないヤツと思われる始末。
そこで私が学んだことは、
仕事も人事もほとんどのことは、タバコ部屋と飲み会で決まるということ。
タバコも吸わないし、お酒も飲まないし、その上、女な私は、絶対、上にはいけないんだなということ。

そういう社会の中で、女性が権力のある男性に認めてもらうためには、セクハラを受けたって、なかったことに出来るくらい自分を殺さなきゃいけないし、
もし、役職についたとしても、「あいつは、女を使ってあの仕事を取った」っていう、男性からも女性からも言われる嫉妬じみたやっかみとも戦っていかなきゃならない。

セクハラっていう行為自体も、いい加減、もうやめませんか?と思うけど、
古くて、大きい会社ほど、こういうことが今でも全然、普通なんだよなあと思う。

今、元気があって、新しい会社ほど、こういう空気感はないし、優秀な女性がトップにいたり、責任のある仕事を任されている。
いつまでも、平気でセクハラする能力のない権力にしがみついているおじさんが仕切っている会社にいるのは、本当に意味がないと思う。
間違いなく、そういう会社は、これから淘汰されていくと思う。

七星 亜李
talismanさんのコメント
2022年2月13日

セクハラー権力、セットでしょう!

talisman