「始まったアメリカ大統領選挙、女性たちの宣戦布告」スキャンダル ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
始まったアメリカ大統領選挙、女性たちの宣戦布告
「魚は頭から腐る」
最近、どこかで聞いたフレーズだ。
FOXは、共和党のために設立されたメディアだ。
自らを保守系メディアと云う場面があったが、そんなことはない。
どちらかと云うと守旧派メディアと呼んだ方が正確な気がする。
まあ、だから、男尊女卑は当然、このような実話が存在したとしても驚かない人は多いように思う。
これほどではないにしても、日本にも保守系を自認するメディアはあって、系列局の女性アナウンサーは、まるでテレビタレントのようだし…、あっ、同じだ。
でも、これを観た男性の中には、女性だって、女を武器にのし上がろうとしていたんだから、大差ないじゃないかという輩が絶対いるはずだ。
しかし、それは、ニワトリが先か卵が先かの議論ではなく、男が自分の都合で言い訳してることに気が付いてないということに気が付いてないのだ。
ようは下半身に脳味噌の一部がずり落ちてしまった輩の考え方なのだ。
そして、そして、
この物語の要所要所に、トランプの映像やツイートが使われているところから推察して…、
僕は、これは絶対、FOXのセクハラを題材にした、この女優陣の、トランプに対する宣戦布告なのだと思った。
2020大統領選挙を前にしてだ。
トランプもハレンチな発言や行為が録音されていたり、暴露されたり、基本的には男尊女卑の典型みたいなオッサンだ。
そんなオッサンが、アメリカの大統領で、分断を煽り、白人至上主義で、男尊女卑、おまけに(かろうじて逃げたが)弾劾までされて、彼女達は既に怒り心頭なのだ。
そして、きっと、この映画は練りに練った、トランプをどうにかして追い落とすための作戦のうちのひとつなのだ。
だから、過度に演出(例えば、エロチックな場面とか)を避け、人物はメイキャップで可能な限り当人に近づけ、淡々と事実を積み上げるスタイルを取ったのではないか。
セクハラを扱った娯楽大作かと思って観に行ったが、なんか、アメリカ大統領選挙、ワクワクしてきた。
日本は、「新聞記者」と「i新聞記者ドキュメント」の公開で、ネット右翼がキーキーうるさかったが、アメリカでは守旧派メディアが騒いでいるのだろうか。
日本の映画界も、アホな政治家にもっと踏み込んだら、きっと面白くなるのに!
韓国やアメリカの映画に押されっぱなしだね。
現大統領の成功のおかげで、卑しさや醜さを恥じるのではなく、寧ろ堂々と露出しちゃったもん勝ち、みたいなところがあるような気がします。羞恥とか謙虚という概念がどんどんネガティブなものとして居場所が狭まっていくような嫌な感じがします。