「この実話の持つ威力がそもそもすごい」ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
この実話の持つ威力がそもそもすごい
長野オリンピックのスキージャンプ団体戦金メダル獲得の裏話は、何かのバラエティ番組で見たことがあった。再現ドラマつきで。それはもう感動の物語だった。
それが映画になると聞いて、あぁあの話かと思い、まぁだいたいわかるしなーと高を括っていたのも確かだ。だから上映回数が少なくなった今頃になってしまった。正直そこまで気乗りがしなかった。
でも映画だもの。ちゃんとしていた。リレハンメルのときの銀メダルの話といい、西方の家族といい、ケガが原因でジャンプに恐怖を覚える選手といい、聴覚障害の選手といい、女性ジャンパーの熱い思いといい、とにかくよくできた話だった。
西方がテストジャンパーになかなか気持ちが切り替わらないのがとてもリアル。そりゃそうだよな。そして葛西の態度も。彼が後にあぁなるなんて。
オリンピックめざしていた選手にとってテストジャンパーの役目は不本意でしかないはず。率先してできるはずがない。その思いがわかるからこそ、最後の感動につながっていくんだな。思わずというか、やっぱり泣いてしまった。そりゃ、そもそもこの実話の威力がすごいんだもの仕方ない。
それにしても聴覚障害者を見事に演じた山田裕貴がよかった。直後に公開を控えている「東京リベンジャーズ」でヤンキー役をやっているのが信じられないくらい。すごい俳優だ。
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