「ほどよく怖いSF青春アクション」ブレイブ 群青戦記 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
ほどよく怖いSF青春アクション
格好良い男たちが登場します。
織田信長(松山ケンイチ)...圧倒的な存在感。
松平元康(三浦春馬)...爽やかで良い。
不破瑠衣/簗田政綱(渡邊圭祐)...格好良さ№1。
西野蒼(新田真剣佑)...瀬野遥(山崎紘菜)と仲良し。
佑松本考太(鈴木伸之)...兄貴的存在。
殺し合いのさなか、キスしてる場合じゃないとか思いそうになりましたが、せめて死ぬ前に好きな人とキスしたいものなんじゃないかなと、きっと、そういう高校生もいるのでしょう。
深く考えたくなってしまう魅力があり、印象に残る映画でした。
~~~ ネタバレ考察 ~~~
人だけでなく校舎も校庭も場所ごとタイムトラベルし、雷トリガーで現代に戻る。
コミックの実写映画化だが、改変を加えたオリジナルストーリーであるため、映画の中の情報だけで考察する。
1年前に先に戦国時代にひとりでタイムスリップした不破瑠衣は、この不思議な現象について詳しく事情を知っているのだが、不破瑠衣の家族(例えば父や祖父など)がタイムトラベラーで知識を持っていた可能性がある。
沢山の落ち武者が校舎内で生徒達を襲ったのは簗田政綱こと不破瑠衣の策。
学校ごとタイムトラベルすることも知っていた。
しかし、西野蒼が一所懸命になるのは不破瑠衣にとっては想定外のことだったのだ。
学校に先生がいなかった理由も考察の余地がある。
職員会議か何かでひとつの部屋に集合していて、落武者にひとり残らず襲われてしまったか、学校の秘密の地下に避難したのかもしれないし、残業禁止で職員全員放課後は不在が当たり前の世界かもしれない。
不破瑠衣が簗田政綱になりすましたように、西野蒼は松平元康になりすまして戦国時代に残る選択をする。
西野蒼は弓道部で、流鏑馬にも興味を持っていたため乗馬も得意であったし、もともと戦国時代に憧れがあった。
ラスト、学校ごと現代に戻ったような描写があるが、厳密には歴史を変えまいとしても細かいところは変わってしまっている(松平元康が亡くなると子孫の遺伝子も変わるし、戦って死んだ人達とそれに関わる人達も変わって...つまり「葉っぱ一枚踏んだだけでも未来が変わってしまう」)ため、世界線が異なる別の世界へ移動していることになる(もとの世界線では恐らく学校ごと行方不明の状態のままで誰も帰ってこなくて大騒ぎになっているだろう)。
新しい世界線では、学校が消えた形跡もなく、これも不思議なことなのだが誰も戦国時代に行って怖かったり悲しかった記憶がなくなってしまう。
では、瀬野遥(山崎紘菜)が徳川家康の絵を見て微笑んだ理由は...。
